会社で「上位2%」になるために、必要な4つのコト
私の経験から言えば、社内でエースと呼べる人材の割合は、50人に1人ほど。全体の約2%だ。
そんな、彼らの人生の基準とはなにか?自著『2%のエース思考ーあなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか』から、一部紹介しよう。
01.
会社と個人は対等な関係にある
まず、自問していただきたい。
「あなたが、今の会社に入ると決めたのは誰か?」
「別に入りたかったわけじゃない。他はどこも受からなかったから」という消極的な理由を挙げる人もいるだろう。しかし最終的に入社を決めたのは、他ならぬあなた自身だ。
そして、もうひとつ質問がある。
「今の会社で今日も働くことを決めているのは誰か?」
これに対しても、様々な答えがあるだろう。しかし、どんな事情があるにせよ、今日現在、今の会社に所属していることを決めているのは、他ならぬあなた自身だ。
あなたはいつでも会社を辞める権利を持っている現にあなたのまわりにもそうしている人はいるだろう。あなたは決して今の会社に従属している訳ではないのだ。
会社と個人はかつては上下関係にあった。だが今は、対等な関係。双方が努力することによってのみ、その関係は維持される
雇用、働き方のルールが変わった。エースはみんなそのことを前提に動いている。
02.
エースとは自らの全てに責任を持つ
「自律した人材」
エースとは、自律した人材。
では、「自律」とはどういうことか?
反対語は「他律」。他律とは、誰かにコントロールされているということだ。企業では上司から与えられた仕事を行うので、真面目に仕事をすると、自ずと他律になる。
今自分がこうであることは、上司のせい、学校の先生のせい、親のせい、世の中のせい、と考えてしまいたくなる。しかし、現実は違う。最初のきっかけは周囲から与えられたのであっても、結局はそれを自分が受け入れた、その時点で自分で選択したのだ。
会社に入ったのも、今の仕事をやっているのも、今日現在会社にいることを選んでいるのも、すべて自らの責任。
だから結果も含めすべての責任を自分で負う、という覚悟を持って行動すること。それが自律だ。自律とは、必ずしも転職したり、起業したりすることではない。一社に勤め続けていても自律している人はいるのだ。
03.
失敗を恐れていては
何も成し遂げられない
小さい頃持っていた将来の夢。それは今、あなたにとってどのような存在になっているだろう?
『アルケミスト 夢を旅した少年』という小説に、次のような節が出てくる。
「人が本当に何かを望む時、全宇宙が協力して、夢を実現するのを助けるのだ。しかし夢の実現を不可能にするものが、たったひとつだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ」
「若いことはすべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。ところが時が経つうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませはじめるのだ」
さあ、もう一度思い出してみて欲しい。あなたはいったい、どんな人生を送りたいのか。
04.
ビジョンがある人は強い
野心があればなお強い
私の経歴を見た人は、皆一様に「さぞかし順風満帆なキャリア・人生を送ってきたのでしょう」と言う。
しかし、むしろその逆で常に試練を与えられてきた。
幼稚園から小学校時代は、親子3人で風呂なし、トイレ共同の四畳半一間のアパート住まい。借金の取り立て、父親の酒乱などによって、大人の怒声に恐怖を覚えるようになった。
そんな中、足に腫瘍が見つかったが、発見が早かったやめ足切断寸前で逃れた。中学校時代、父親が大事故を起こし交通刑務所へ。高校受験に失敗するも、2次募集で何とか拾われた。大学受験も現役のときは全滅。浪人し、かろうじで志望校に滑り込んだ。
ビジネススクールでは予備校から偏差値30、合格可能性ゼロと言われ、まさに底辺の2%だった。奇跡的に受かり、30歳のとき、妻子を連れて全額借金で自費留学。しかし、入学後、成績が悪すぎて退学警告を2期連続で受ける
初めて人事部長になった時は15人の部下全員からつるし上げを受ける。留学準備中と、最初の人事部長時代の2回、自律神経失調症を発症する、など。
これはごくごく一部だが、私はいわゆる成り上がり者なのだ。
私は、昨日より今日、今日より明日の自分がより成長することが原動力だった。その過程で、人との信頼関係、仲間、家族がいかに重要か、また、豊かさ、幸せとは何か、それがどれだけありがたいことか身にしみて理解できた。そしてそれらが、すべて今、自分のやりたい仕事、自分の送りたい人生・キャリアに繋がっている、と心から感謝している。
『2%のエース思考ーあなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか』
コンテンツ提供元:ワニブックス
大学法学部卒業後、NECに入社。マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンドカンパニー・インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を歴任後独立。慶應義塾大学大学院・政策メディア研究科准教授を経て、現在、同大学SFC研究所上席所員。立命館大学大学院テクノロジーマネジメント研究科客員教授。