「週休3日」にしたら、仕事の生産性が劇的に上がった
過労は生産性も落ち、ミスも増える上に健康にもわるいというのはよく耳にする話。労働時間を増やしたからって生産性が上がるわけではないという話自体、200年も前から言われていることなのだそうです。
週休3日制なんて
当たり前?
19世紀、工場のオーナーたちは従業員の労働時間を10時間に制限していました。その後、さらに8時間へと減らしたところ、生産性が上がったことに驚きました。ミスや事故が減り、そのために必要だった莫大な費用を削減できました。
「SALON」には、時代の移り変わりとともに労働時間がどう変化してきたかが書かれています。そして、週40時間以上働いても生産性が落ちるだけだとも。
この歴史は、アメリカの経営学誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載された、共同編集長サラ・グリーン・カーミカエル氏の記事にも引用されています。
同誌によれば、コンサルティング・投資銀行・会計・法律・IT企業などで働く「常にオンだ!」なんて言っている人たちは、週に65時間以上働いている場合も少なくないようです。しかし、ある実験結果がその主張を覆しています。
2009年にハーバード・ビジネス・スクールが行った実験では、ボストンのコンサルティング企業の労働者たちに、メールチェックも許されない「真の休暇」を、週に一度、平日に与えました。これを5ヶ月間継続し生産性を分析したところ、週に50時間以上働いていた「常にオン」な人々よりもサービスの質が高くなったそうです。
過労の危険性
もちろん、「そうだ!週休3日が当たり前なんだ!休みをくれ!」なんて声高らかに宣言してしまうとヒンシュクを買ってしまいそうですが、そのほかにも長時間労働が健康や判断力にひどく悪影響をもたらすなんて分析結果があります。
たとえば、週の労働時間が55時間以上の人は、週40時間未満の人よりも、脳卒中33%、心疾患13%、とそれぞれ発症リスクが向上。様々な要因が考えられそうですが、2型糖尿病にも大幅になりやすくなるとか。もしそうだとすれば、深刻な問題ですよね。さらに、睡眠時間への影響も無視できません。
アメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)に掲載された研究結果によれば、労働時間が減りリラックスできる時間が増えることで睡眠への導入がスムーズになります。そして、長時間労働者よりも回復する時間が短く済むそうです。そのほかの研究結果でもイライラが減りケンカをしにくくなると言われています。
人はエネルギーが不足すると、他人の感情を読み違える可能性が高まり、幸せと怒りの感情さえ読み間違えてしまうとか。これって仕事に必要なコミュニケーションをとる上ではけっこう致命的です。
たしかに週40時間以下の労働で週3日も休めるなら、家事も健康管理も滞ることなくストレスも溜まらなさそうです。とはいえ…なんですけどね。