真っ黒アイスに肉汁キャンディ!?Instagramで話題の変わり種アイス4選 in NYC

アメリカでは7月は「アイスクリーム月間」。さらに第3日曜日は「アイスクリームの日」。

だからか、7月にInstagramに流れてくるのはアイスクリームのポストばかりだった。で、ハッシュタグサーフィンしてみると、ポップカルチャーにインスパイアされたお店から、健康志向生まれの衝撃フレーバーまで、気になるアイスが結構ある。せっかくだし、ニューヨークならではの変わり種を独断で4選、実食してみた。

後味スッキリの真っ黒アイス。
モーゲンスターンズのココナッツアッシュ

流行に敏感なニューヨーカー。ちょっと前まで生地が虹色のレインボーベーグルに沸いていたかと思えば、お次は真っ黒けのアイスクリームに夢中らしい。

「またかっ!」と思ってしまうほど最近よくタイムラインに流れてくるのは、「#CoconutAsh(ココナッツアッシュ)」。マンハッタンのバワリー地区にあるアイスクリーム屋「Morgenstern’s Finest Ice Cream(モーゲンスターンズ・ファイネスト・アイスクリーム)」にて、今年4月に登場した新フレーバーだ。

店内は超満員。行列は外まであふれる

特徴は何といっても真っ黒けのビジュアル。これまでにないパンチの効いたその見た目から、SNSに投稿するニューヨーカー続出。さて、気になるそのお味はイカスミ…ではなく、ココナッツの殻の灰。材料は、ココナッツの薄片にココナッツクリーム、そしてリッチな風味を醸し出すココナッツミルクだ。

材料はこれでもか、とココナッツづくしだが、正直ココナッツの味は感じられなかった(Instagramのコメントにも同意見多数)。が、しつこすぎない甘さとさっぱりとした後味で、余裕でダブルをペロリ。これはInstagramにポストして満足、ではなくリピートしたくなる美味さ。

コーンは3種類から選べる。

オーダーはひっきりなし。お姉さん、休む暇なくせっせとスクープ。

30度を越す猛暑日が続くニューヨーク。外で食べる際はすぐに溶けてしまうので、コーンよりカップがオススメ。

食べ終わる頃にはこんなことに。

ちなみにこのお店、先月はカニエ・ウェストの39歳の誕生日を(勝手に)記念し、彼をテーマにした期間限定メニューを販売する「カニエ・アイスクリーム・ウィーク」なるものを勝手に開催。“美味しい”だけでなく“面白い”も発信してくれる、要注目のアイスクリーム屋である。

欲張りさんにはコレ!
マイキー・ライクス・イットのダディマック

イーストビレッジにある「Mikey likes it(マイキー・ライクス・イット)」は、ポップカルチャーにインスパイアされたアイスクリームブランド。

青と白を基調にした奥に長い店内。イートインスペースは2席のみ。

ラッパーやDJ、さらにはヒラリー・クリントンも足を運ぶ、ホットな店だ。各月でアーティスト、映画、曲をイメージしたフレーバーが登場し、それに合わせて店のシャッターのグラフィティも変わる。

新人のネイクウォン君。

販売するアイスクリームは、オーガニックとナチュラルにこだわっており、全て手作り。またリクエストがあれば、ラクトース(乳糖)フリー、ヴィーガン、グルテンフリーでの製造も行なうなど、ただイケてるだけでなく、お客のニーズに沿っているところが二重丸。

注文したのはInstagramで一目惚れした、ワッフルとアイスクリームが3段重ねになったダディマック。さっそくスクショ画像を見せて「コレください!」。

よいしょっと。

「バランスが大事なんだ」

熱々ワッフルでアイスクリームが溶けてしまい、Instagramのように上手く撮れなかった…(泣)。

ワッフルとアイス、それぞれお好みのフレーバーを選べるので、今回ワッフルはプレーンを、アイスクリームはアイス・アイス・ベイビーというバニラをチョイス。焼きたてワッフルと冷たいアイスクリームの組み合わせは、文句ナシ。3種類のバニラビーンズがブレンドされたバニラは、濃厚でかなり甘めだったが、オーガニックということで(?)罪悪感を感じることなく完食した。

そのアイスが手に入るのは日曜だけ。
スパイスが効いた、マライのゴールデン・ターメリック

インドからアメリカに移住した母が作る、スパイスたっぷりの手料理で育った、オーナーのプージャさん。サフラン、マサラ、カルダモンといった香辛料に感化され、型破りなフレーバーのアイスクリームに興味を持ち始めた彼女は、昨年アイスクリームカンパニー「Malai(マライ)」を設立。

マライは店舗を持たない。なので購入できるのは、オンラインか移動販売のみだ。 毎週日曜にブルックリンのプロスペクト・パークで開催される、個性豊かな屋台が集まる食のマーケット、スモーガスバーグに行ってみた。

ブルックリン最大の公園、プロスペクト・パーク。この看板が目印。

ニコニコ笑顔で接客してくれるプージャさん(左)。

WEBサイトには14種類のフレーバーが掲載されているが、この日は4種類のみの販売。

すべての商品にスパイスを使用しているというユニークなラインナップの中から、今回オーダーしたのは、眩しいほどに黄色いゴールデン・ターメリック。MalaiIceCream(マライ・アイスクリーム)のなかでも、一際目立っていたフレーバーだ。

ターメリックがブレンドされたこちらは、アクセントに生姜が効いていて、ほんのりピリッ。エスニックっぽさが香る、夏にもってこいのフレーバーだ。5種類のスパイスから作られたという、真っ赤なコーンとの相性も抜群。

記念写真も忘れずに。

健康志向のスプリングボーン・キッチンから誕生した
異色の肉汁アイスキャンディー!

3億円の大赤字を叩き出した、ガリガリ君のナポリタン味以来の衝撃フレーバーが、ここニューヨークで誕生した!ウェストビレッジにある健康食レストラン「Springbone Kitchen(スプリングボーン・キッチン)」が先月から発売を開始したのは、その名も肉汁アイスキャンディー!

肉汁アイスが出てきそうな感じは全くしない、爽やかな外観。

度肝を抜く響きのこのアイス、牛肉を使ったブイヨンに、ココナッツミルク、ザクロジュース、ラズベリーのピューレとメープルシュガーを混ぜて作られたもの。その昔、膝に怪我を負った際、理学療法ではなく毎日ブイヨンを飲んだことにより治癒した経験を持つ店主。ブイヨンに絶大な信頼を置く彼が「暑い夏でも気軽に楽しめるように」と、開発したわけだ。

左から牧草で飼育された牛肉のブイヨン、放し飼いで育ったチキンのブイヨン、日替わり野菜のブイヨン。

Instagramのオフィシャルアカウントページには、朝の某トーク番組にて実際に試食した男の子が「Oh…something really disgusting…(わっ…何かものすごく胸くそ悪い…)」なんて言っている動画がポストされていた。「ゲテモノ苦手…」と少し躊躇したが、意を決していざ実食。

正直、肉の味はまったくしなかった。肉汁と言われなければ分からない。ほんのりラズベリーの味が舌に残る、いたって普通のフルーティーなアイスキャンディーだ。なんならサクレの様なサクサクの食感に「もう一本!」とおかわりしたいくらいだった(アイスクリームと違い、途中で溶けることもなかったし)。

美味しいうえに健康にもいいだなんて、なんとも一石二鳥。騙されたと思って試す価値ありだ。

HEAPS

「時代と社会の、決まり文句にとらわれない」ニューヨークに拠点を置く、サブカル&カウンターカルチャー専門のデジタルマガジン。世界各都市の個人・コミュニティが起こすユニークな取り組みやムーブメントをいち早く嗅ぎつけ配信中。世界のマイノリティたちの生き様を届けます。www.heapsmag.com

Text by Yu Takamichi
Photo by Yu Takamichi
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