一年にたった1日だけ、サボテンは美しい花を咲かせる
美しい花にはトゲがある──、とはなにもバラだけを例えて言っているわけではない。サンザシやアザミ、そしてサボテンにも。それも一年にたった一日、わずか一晩しか咲かない品種もある。
その一瞬のきらめきを、サボテン愛好家のフォトグラファーEchinopsis Freakが定点観測し続けた動画の美しさに、思わずため息が出てしまった。
とにかくオススメは動画。複数のつぼみが一斉に花開く瞬間は、言葉以上に圧巻だから。
満開の美しさは
わずか2時間たらず
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/56610/9455ec76dcd2d7c79ca9e184c5ab1f6577d9536c.png)
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![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/56597/a2e6b24f9190d63f20e9d7ae74e1fe9cfa60fa5a.png)
突き詰めていけば、「満開のサボテンの美しさはわずか1時間から2時間ほどしかない」、Echinopsisはこう強調してみせた。
自身のコレクションより、つぼみがふくらんんで開花間近になったサボテンを、きっといとおしそうにカメラの前に運んだに違いない。そこからおおよそ8時間かけてカメラを回し続けるんだそう。こうして、一年間待ちに待った瞬間が訪れる。
開花に50年かかる品種も
奥深きサボテンの楽しみ
サボテンという植物はじつに奥が深い。
この開花ひとつとっても、品種によってバラバラだったり、花がつくのに株の年齢が達していなければ、どれだけ待ってもきれいな花を咲かせてはくれない。なかには種から育て開花を迎えるまでに50年かかると言われる品種(キンシャチ)もある。トゲトゲしいだけがサボテンの魅力ではない、ということか。
さて、昨年、国際自然保護連合(IUCN)が発表した調査結果によると、1,480種といわれる世界のサボテンのうち、約31%が絶滅の危機にひんしていることが初めて明かされた。原因は乱獲。なんでも絶滅危惧レベルは哺乳類や鳥類よりも高く、同連合は「サンゴに次ぐ危機的状況」と警鐘を鳴らしている。
人間の歴史より何倍も長く生きてきたこの植物が、これからも毎年きれいな花を咲かせられる環境であってほしい。
Reference:IUCN
Licensed material used with permission by Greg Krehel