世界の、ミステリアスな「離島」へようこそ。

世界には数々の離島が存在します。本島と離れているがゆえに情報が少なく、いまだに謎が多く残されている島も多いのです。

そんな離島のミステリーを追求したのが、おもしろ地理学会が編集した『世界史からこぼれ落ちた離島伝説』。本島から離れた孤高の地で、一体何が起きたのか?秘められた謎に迫ってみましょう。

インド洋のガラパコス
【ソコトラ島】

ソコトラ島は、アラビア半島とアフリカ大陸の間にあるイエメン領有のインド洋に浮かぶ孤島。約3,700㎢の広さで、古代より海上貿易の中継点として利用されてきました。しかし、いつの頃からかそのルートから外れ、原始的な風景を残すに至っています。

島には800種類以上の植物が自生し、その中には滅多にお目にかかれない珍しいものも。ソコトラの象徴的な存在といえるのが、竜血樹(ドラゴンブラッドツリー)。高さは10m以上で、幹を開くと赤い樹液が滴ります。古代のソコトラ人はこれをドラゴンの血と信じていたため、このような名がつけられたそうです。

現在は44,000人ほどが住んでいて、文字を持たない独自の言語を有しているとか。観光客に解放されたのがごく最近ということもあり「インド洋のガラパゴス」と呼ばれています。

1802年に発見された
オーストラリアの秘境
【カンガルー島】

カンガルー島は、オーストラリア・ケープジャービスの港からわずか45分の船旅で到着する場所にあります。2000年前に原住民のアボリジニから見捨てられて、1802年に発見されるまでは無人島だったという秘境です。

この島で最も幅を利かせている動物が、じつはコアラ。もともとコアラはこの島に存在しない動物でしたが、20世紀前半、オーストラリアではコアラの毛皮が高値で取引されていて、何百万頭ものコアラが殺され、個体数が激減してしまいました。絶滅を避けるために18頭のコアラを島に移住させたのですが、2000年には、なんと3万頭まで増殖したのです。

現在、コアラが増えたことでユーカリが食べ尽くされ、ユーカリの木をすみかにしていた動物たちが行き場を失っています。駆除に乗り出そうとする政府でしたが、反対の声も多く、動くに動けない状態に…。このまま放置をするにしても、生態系が崩壊することは確実。この問題は長い間くすぶり続けていて、未だに解決されていない状態となっています。

島内に2つの国が存在する
【セント・マーチン島】

セント・マーチン島は、カリブ海にあるリーワード諸島の北端に位置している。マイアミから飛行機で約3時間の距離で、周辺の島々からもフライトがあります。ゆったりくつろぐことも、アクティブに活動することもできるので、近年ではリゾート地としても注目されています。

特徴的なのは、島内に2つの国が存在すること。島のほぼ中央に境界線があり、北部はフランス領、南部はオランダ領と分かれているのです。コロンブスがセント・マーチン島を発見したのが1493年で、それからしばらく放置されていたのですが、スペインがこの島に進出し、フランス、オランダ、イギリスが領有権を争いました。その結果、1648年にこの島をフランスとオランダが分割して領有することが決定したのです。およそ360年前以上に決められた境界線が、今もなお継続しているのです。ちなみに2つの国の境界線を越える場合、チェックはいりません。通貨もユーロでOK。

セント・マーチン島は、2つの国をいっぺんに体験できるユニークな島なのです。

 

※上記内容はすべて、書籍刊行時点での情報です。