鹿児島県という情報以外、本当は教えたくない場所。
鹿児島県トカラ列島のひとつである、「小宝島」という島を聞いたことがある人は、"まだ観光地化されていない場所"が好きなのではないだろうか。Instagramで検索をしてみるとわかりやすく、隣の宝島が9,000件以上なのに対して、こちらは150件程度。これを見る限りでは、知名度はまだ高くないのでは?
真空色の海に浮かぶ
「妊婦さん」の形をした小島
島の形が寝ている妊婦さんに見えることから、「子宝島」とも呼ばれているこの島。海辺でトロピカルジュースが飲めるカフェも、南国チックな雑貨屋さんもない。そのかわりに、手付かずの自然のなかで、まだ見たことのない虫と遭遇したり、道端に突然牛が現れたり、島の人たちの暮らしそのものを感じられる体験がここにはある。
「お金をかけて、贅沢にリゾート気分も味わう旅もいいけれど、この島では必要ないと思えるよ」と、訪れた人たちは口を揃えて言うのだ。好みは分かれるかもしれないけれど、もし一度心を掴まれてしまったら、少しくらいアクセスが悪くても、足繁く通ってしまう人の気持ちがよくわかる。
右も左も
プライベートビーチ状態
上空から見ると海中のサンゴが透けて見えるように、透明度はかなり高い。島内にある正式な海水浴場はひとつだけれど、そこには砂浜もなければ、シャワーもないという注意書きが。「赤立神海水浴場」ではなくても、泳ぎたいと思い立ったら、そこがあなたの海水浴場だと言えるのだろう。
夏でも観光客が殺到するわけではないから、この景色をひとりでゆっくり堪能できる夏休みを想像すると、うっとりしてしまう。ダイビングをすれば、浅瀬でも色鮮やかな魚や貝と対面できるそう。難しいことは忘れて、自然に酔いしれたいと思う時には最高だ。
徒歩30分で「島一周」
島全体が隆起サンゴ礁でできていて、亜熱帯のためアダンやソテツが生い茂り、ハイビスカスも咲き乱れている。ほとんど手付かずのままの自然を見られるだろう。周囲約4kmという小ささなので、ふら〜っと観察しながら歩き始めたら、簡単に一周できてしまう。
奥に見える巨大岩は、島のシンボル「赤立神」。島には大きな牧場があり、所々で牛と出会える。
泳ぎつかれたら
隠された温泉を探そう
写真は入手できなかったけれど、サンゴの岩間に湧く、何とも風変わりな3つの湯船と深緑色した湯がこの島にはあるらしい。もちろんオーシャンビュー。島人に愛されている場所のひとつなのだそう。このほかにも、潮騒を聞きながら楽しめる、開放的な海辺の混浴露天風呂が島にはある。
実際に行った人へ聞き込み調査をしても、わかるのはこのくらいだ。足を踏み入れたら、自分だけの温泉が見つかるかもしれない。
検索しても島自体の情報がまだ少ないのは、この島を知るほど、まだ秘密にしておきたいと思ってしまうからではないだろうか。