日本の国立公園おさらい 九州地方:歴史の勉強をしながら巡りたいところばかり
まだまだ知らない日本の歴史や文化ってたくさんありますよね。本や映像で学ぶこともできますが、機会を見つけて現地まで足を運んでみませんか?
日本の歴史がたくさん学べる、九州地方にある6つの国立公園を紹介します。
1.
島々の自然と文化に触れる
「西海国立公園」
(長崎県)
長崎県佐世保の九十九島から生月島、平戸島、そして五島列島へかけて、400あまりの島々で構成されている「西海国立公園(さいかい・こくりつこうえん)」。海食崖や火山地形といった、複雑な地形に対応して生息するカブトガニなど、滅多にお目にかかれない希少生物も確認できるそうです。
「野崎島の集落跡」は2018年6月に世界文化遺産登録が決定した「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産にも含まれていて、カトリック信徒が通った旧野首教会が現存しています。また、同国立公園内には佐世保鎮守府関連の軍事遺跡も現存。歴史好きにはたまらないエリアでしょう。
2.
キリシタンの歴史も学べる
「雲仙天草国立公園」
(長崎県、熊本県、鹿児島県)
長崎県、熊本県、鹿児島県の九州3県にまたがり、1934年、日本で初めて誕生した国立公園のひとつ「雲仙天草国立公園(うんぜんあまくさ・こくりつこうえん)」。過去には温泉岳とも呼ばれていた雲仙岳を代表する火山と天草の海洋との水陸の大展望が魅力的です。
「島原・天草一揆」で知られるキリスト教の歴史はもちろん、海外文化のあらましを知ることができます。敷地内は公園外ながら、リアス式海岸の一角にある崎津教会も眺められます。ぜひこの天草の地で、キリシタンの歴史を巡ってみては?
3.
雄大な火山と草原が広がる
「阿蘇くじゅう国立公園」
(熊本県、大分県)
世界最大級のカルデラにそびえる阿蘇山と雄大な草原が特徴的な「阿蘇くじゅう国立公園(あそくじゅう・こくりつこうえん)」は、熊本県と大分県に広がる国立公園。火山付近は荒々しい景観ですが、離れるにつれて多くの植物を観察できるスポットに様変わりします。
毎年春に行われている野焼きは、1000年以上前から続いている名物です。これは、草原が樹林へと移り変わらないための大切な行事。春に同公園へ訪れると見ることができます。足を運んで阿蘇の伝統を見学してみるのはいかがでしょうか。
4.
巨大カルデラと人気の観光エリア
「霧島錦江湾国立公園」
(宮崎県、鹿児島県)
今も噴煙を上げ続け、鹿児島県のシンボル的存在になっている桜島を有する「霧島錦江湾国立公園(きりしまきんこうわん・こくりつこうえん)」。宮崎県と鹿児島県が指定エリアになっています。南九州は火山活動が活発な地域であり、過去の大規模な噴火によって出来た巨大カルデラが見られます。
また、鎌倉時代から江戸時代まで続いた島津家第19代光久氏が、1658年に別邸として造った仙巌園が現存。桜島と錦江湾を望み「天下の名園」との呼び声も……。1958年には国の名勝にも指定されました。
5.
日本屈指の巨樹が息づく自然美
「屋久島国立公園」
(鹿児島県)
神秘的な景観で観光客からも人気の高い、鹿児島県の「屋久島国立公園(やくしま・こくりつこうえん)」。樹齢1000年を超える巨樹、巨木の天然林が広がり、特に縄文杉(樹齢約2000年~7200年 ※諸説あり)はパワースポットとしても有名です。
また、日本一アカウミガメが上陸する「永田浜」では、砂浜でウミガメが産卵をしていたり、口永良部島には天然記念物に指定されているエラブオオコウモリがいたりと、動植物の観察に持ってこいのエリアです。
6.
美しいコバルトブルーの海
「奄美群島国立公園」
(鹿児島県)
1963年に発見された昇竜洞(沖永良部島)も人気が高い、鹿児島県の「奄美群島国立公園(あまみぐんとう・こくりつこうえん)」。2017年(平成29年)3月7日に、34ヶ所目の国立公園として指定されました。全長3500mのうち600mが一般公開されており、洞窟の中に光を当てると、鍾乳石が光るのが特徴的です。
夏に行くなら、大金久海岸に現れる(干潮時)真っ白い砂浜が魅力の百合ヶ浜(与論島)がおすすめ。泳ぐのも良いですが、ぜひシュノーケリングを体験してみてください。本土の海とはまた違ったコバルトブルーの海が目の前に広がりますよ。