「ヤギもらってくれませんか?」イタリアの市長、助け求ム

ヤギ、差し上げます。

約100人の住民と100頭のヤギが共に暮らす南イタリアの小島、アリクーディ島。

望ましい個体数の6倍という増えすぎたヤギ問題を解決すべく、市長のRiccardo Gullo氏が「ヤギをもらってくれる人」の募集を始めた。

希望者は島でヤギを捕まえさえすれば、無料で“里親”になる権利が与えられるらしい。また、Gullo市長は「CNN」の取材に対し、ヤギとともに島から出られる船さえあれば、ヤギの飼育に関する知識は問わないと回答。

多少投げやりな気もするが、言い換えれば「ヤギの用途は希望者に委ねられる」ということ。人懐っこく、家畜としての利用価値も高いヤギを飼う姿を想像してみれば、自然と胸が膨らむはずだ。

年々増加する“ヤギ密度”

ここまで大胆なキャンペーンには、とある事情が。

島のヤギたちは非常に獰猛らしく、民家に侵入しては庭や生垣を食い荒らし、住民を困らせていたという。シチリア地方政府によれば、ヤギは20年ほど前に農家が持ち込み、開放。飼い主のいないヤギたちは自律的に生活を始め、気づけば驚異的な頭数にまで繁殖してしまったのだそう。

こうして苦肉の策として始まったキャンペーンは、観光資源として数頭は残すものの、ほぼ全頭の里親が決まるまで延長する可能性があるとのこと。市長は「ヤギはできれば食肉ではなく家畜にしてほしい」と話しているが、里親の意図に関する適正評価は行わないということからも、被害に相当困っていたことが伺える。

既に募集は始まっており、近くのブルカノ島でヤギのチーズを製造している農家など数十件の引き合いが。

無料でヤギの里親になれる機会なんて、滅多にないはず。興味ある方、善は急げ、だ!

Top image: © iStock.com/SebastianKnight
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