壊れた家電家具の駆け込み寺になってる「リペア・カフェ」って?

先日、炊飯器が壊れたので、ある家電量販店へ修理を依頼しに行った。

すると、修理費を見積るのに前金が必要で、もし、見積もりが高く、修理を中止にする場合は、預けた金額の50%は戻らないとのこと。僕は迷った挙句、壊れた炊飯器を持ち帰ってっきた。

修理するより、新品の方が安いことが常識ともなっている中、壊れたものは捨てるしかないのか?だからかもしれない、余計にこのオランダの取り組みが気になったのだ。

ボランティアが無料で
「リペア」してくれるカフェ

じつは、この「リペア・カフェ」は、実際のお店ではない。壊れたものを持ち込むと無償で修理してもらえるのコミュニティ型のソーシャル・イベントなのだ。市民会館や集会施設などで定期的に開催され、壊れたものを修理専門家のボランティアが直してくれるという。

対象物は、家電に限らず自転車、おもちゃ、洋服まで多岐に渡る。もし、参加者自身も腕に覚えがあるようならば修理側に回ることもでき互いが助け合える仕組みもなっている。もちろん、コーヒ−でも飲みながら修理を待つだけでも大丈夫。

こちらは参加者「私たちは使い捨ての社会に住んでいる。よくないわよね。もし、修理できるならやるべき。もう十分に無駄してきたんだから」。イベントに集まる人々は、高い意識を持って参加しているようだ。

こちらはボランティアの修理人。「もう一度、動けばいい感じに思えるだろ。考えてみれば分かることだよね。中には、父親からの形見だってあるんだよ」。修理をしてもらった人だけではなく、修理する側も嬉しそう。まさに、Win-Winの関係だ。

「ベルギー、ドイツ、アメリカ、ブラジルにも、リペア・カフェが拡がりつつあります」と話すのは、リペア・カフェ財団のディレクター、Martine Postma。49ユーロ(¥5,800円)のデジタルスターターキットで、誰でもリペアカフェをスタートできるようだ

修理って意外と簡単にできる!

このリペア・カフェの狙いには、修理って意外と簡単にできると参加者に伝えることにもある。モノを捨てずに修理して使う。それは、価値を見直すきっかけにもつながる。モノを直す過程を眼の前に、自ら、修理を覚えられるなんて一石二鳥でもある。「モノを修理したい人」と「修理がしたい人」を集わせるリペアカフェには、オルタナティブな価値が生まれ続けている。

これまでで、ユニークなリペアについて財団側に聞いてみたら、次のような答えが戻ってきた。

「おもちゃのパトカーかしら。壊れていたのは、サイレントとランプ。そんなに特別なものというわけじゃないんだけど、2歳と4歳の兄弟が修理をする間、じっと眺めていてね。おもちゃが直った時にすごく喜んでいたの。それが印象に残ってるわ」

「他には、回転式乾燥機。あんなに大きなモノを持ち込む人は、珍しいんだけどね。でも、こちらとしては直してやるって気にもなるじゃない」

日本でも5つの団体によって
リペアカフェは開催されている

2010年にオランダではじまったこのイベントは徐々に賛同を集め、2011年には財団化され、現在は世界へも展開している模様。

ということは、日本にもあるかも知れない!早速、「リペア・カフェ」のサイト調べてみると見つけることができた。東京に2つ、逗子・大阪・神戸には各々1つと計5つの団体によって開催されているようなのだ。早速、僕は、次回開催の予定を教えてもらえるように、東京と逗子の3つにメールをいれた。あの炊飯器を持ち込んで修理してもらおうと考えているのだ。

モノが壊れたら、粗大ゴミとして捨てる、新品に買い換える、のではなく、リペア・カフェという新しい選択肢が加わる。大量生産・大量消費の世の中に待ったをかける取り組みとして、さらに普及することを願っている。

Licensed material used with permission by Stichting Repair Café International, zwaan.tv
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。