「立ちション問題」を解決する「サステイナブルなトイレ」

オランダの首都・アムステルダムで、じつは根深い問題となっているのが野外排泄。そう......つまり“立ちション”だ。

そもそも公衆トイレの数が少なく、わずかに存在するトイレもほとんどが有料。結果「探してたら間に合わなくなっちゃった.....」というパターンがほとんだだろうが、尿は建物を腐敗させ、そしてなによりも環境に悪影響を及ぼす悪臭のもとになる。

そんな諸問題を解決しようとオランダ企業「Urban Senses」が作ったのが、植物プランター付きの公衆トイレ「GreenPee」

安直すぎるネーミングはひとまず置いておいて、このトイレ、機能効果もあなどれない。

内部では、臭いを吸収する麻の繊維を入れた容器に尿を回収。その繊維と尿を混ぜたものが堆肥化され、リン酸塩を多く含む有機肥料となる。そして、その肥料で公園や緑地を施肥できる仕組みだ。

なお、このボックスには、雨水を集めるための30Lの貯水タンクを備えた実用的なハイドロシステムが搭載されており、乾季でも植物に与える水は最小限で済むのだとか。

現在、オランダ屈指の歓楽街・レッドライトディストリクトを中心に12個が設置。試用期間では、なんと50%も野外排泄を減らすことができたとのこと。

今後は、臭気を吸収するだけでなく、薬物除去効果が見込めるものへの改良や、発電設備の搭載も検討しているらしい。

罰金では解決しなかった社会問題が、アイデアで解決されようとしている好例といえるだろう。

greenpee
©GreenPee 2020
©GreenPee 2020
Top image: © GreenPee 2020
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