頭のいい人に惹かれる、これは本能。
異性のどこに魅力を感じるかは人それぞれ。博識、ユーモア、勤勉さ、努力家、などなど。昨今、知性と魅力に関する研究でこれらの相関関係が見えてきたようです。そのひとつ、「知性=セクシー」と感じるサピオセクシャル(Sapiosexual)について紹介します。
自身も知的な人にセクシーさを感じるサピオセクシャルだと公言する、ライターJustin Gammill。これまでの研究結果に自らの経験を照らし合わせて書き上げた当記事は、「I Heart Inteligence」で大きな反響を呼びました。
「知性」に対して
性的魅力を感じる人々
Sapiosexuality(サピオセクシュアリティ)をより詳しく表現するならば、知的な人に惹かれ、性的刺激を感じる趣向。そう、知的であることはセクシー。それも様々な研究結果が示しているのです。
トランスパーソナル心理学の研究者Diana Rabbはこう表現します。
「脳は、体の中でも一番大きな“性器”と言っていいでしょう。サピオセクシャルの人は、相手の知性に対して、性的な刺激を感じるといいます。哲学や政治、または心理学のディスカッションをすることが、彼らにとっては“前戯”とも言えるんじゃないでしょうか」
さて、サピオセクシャルな私にとって、あらゆる魅力のなかでも「知性」こそが、一番輝いているように思うのです。私のような人たちの共通点に、相手の知性をすぐに理解できることが挙げられます。
例えば、難解なロシア詩集に手を焼いている自分に、ぽっと横から見解をひと言入れてくれる。相手が自分の興味ある事柄に、深い考察や知識があるというシナリオは、サピオセクシャルとしては想像しうる最もセクシーな出会いなのです。
確かに人を魅力的に感じるチャーミングポイントは人それぞれ。でも最近の社会では知性に魅力を感じる事が不思議だそう。けれど私からしたら、相手の知性に惹かれるのは、じつに自然な流れ。
見た目の魅力というのもあるけれど、見た目より、知性は永遠のものですから。サピオセクシャルの人たちは、裸を見せ合うことじゃなく、良い会話を重ねることでも満たされるのです。
あらゆる科学者たちが、「知性」と「魅力」の関係性を研究しているのですが、これこそが本質なのではと私は思うのです。頭の良い人たちほど、本質を追求することに没頭しがち、特に他人に対しては。それゆえ知的なタイプには孤独を感じる人が多く、本当に自分をさらけ出せる相手なのかどうかを熟考してしまうのです。
エリート学生の方が
性的好奇心が強い
「知能と性的欲求は比例している」、これはLovehoneyというイギリスのアダルトショップの調査結果です。Lovehoneyの売り上げデータによれば、エリート大学の学生たちが、セックスについての興味が一番高いということが判明しました。が、セックスの回数が多いのかというと、どうやらそれは違うようです。
例えば、2007年に発表された「性交渉と知能(Intercourse and Intelligence)」という研究で、80%のアメリカ人男性と、75%のアメリカ人女性が、性交渉を19歳までに経験しているということが判明しました。
さらに大学生だけで比較すると、プリンストン大学の学生の56%、ハーバード大学の学生の59%、MITの51%の学生たちが、性交渉の経験があると回答。また65%のMITの大学院生がセックス経験があると答えました。
何が言いたいかといえば、エリート大学の学生たちの経験数は少ないかもしれないけど、頭のいい人たちほど相手を選んでいるという推測が立ちます。
頭のいい男性は、
いい子孫を残す
ニューメキシコ大学のGeoffrey Miller教授は、400人の男性の知的レベルを試験した結果と、精子サンプルの関連性をデータ化しました。すると、試験で高い点数を獲得した男性の精子サンプルは一番健康的という結果に。
Miller教授は「脳の質」と「精子の質」は関連性があり、また世代が渡るように強い遺伝性があるのであろうと、まとめています。
「言語、ユーモア、そして知性は、どちらの性別においても進化していきました。なぜなら、それはお互い、魅力的に感じているからでしょう」
知性、ユーモアと言葉が豊富であるということは、健康的な精子という意味でのいい“宣伝”になっているようです。
考えてみれば、人類の進化において、私たちの祖先は強く生き抜くためにも頭のいいパートナーが必要だったんじゃないでしょうか。頭の悪いパートナーは安心できないですからね。今とは時代が違うかもしれませんが、その本能がもしかしたら、色濃く残っているのかもしれません。