車イスでどこまでも行く。大切なのは、「方法を知っていること」。

「多くの人は先入観を持っている。車イスは誰かを定義するものではなくて、モビリティ援助でしかないの」。

そう語るのは、車イスで旅行をするための情報を集めた『Have wheelchair will travel』を運営するJulie Jonesさん。障害はハンデではなく、“新しい世界の色を見せてくれる要素のひとつ”だと言う。

「知る」ことから、
世界は広がっていく。

Julieさんは、子どもの頃から家族と世界を渡り歩き、いろんな景色を見て成長してきたそう。冒険心が強く、新しい人と出会って学ぶことを生きがいとしてきたくらい。

旅行コンサルタントとして働きはじめ、社割で格安旅行を楽しむ毎日。子どもが生まれて、新しい家族のかたちになっても、旅を続けていきたいというのはずっと前から望んでいたこと。

しかし長男のBraedenが生まれて5ヶ月、医師から脳性麻痺の診断を受け、自分の足で歩くことと、話すことがこの先できないと言われてしまったのだ。

それならば、と、彼女が旅先に選んだのは優秀な医師がいる国。今までの人生で、対面したことのなかった病気。なによりまずは、多くのことを知るために動き始めること。

その日から家族3人の旅の目的は変わり、職業療法士、理学療法士、言語病理学者、眼科療法を訪れることに没頭したのだ。長女を妊娠している間も旅を続け、やがて家族は4人に。

「障害があるから大変ね」。多くの人がそう思うでしょう。私たちは、旅を続けるなかで世界中のたくさんの人と出会って、助け合ったり病気について学び合ってきました。

そうして思うのは、歩いているだけでは気づけないことを、車イスはたくさん教えてくれるということ。

旅行コンサルタントとして働いてきたからこそ、Julieさんは、旅行会社が障害を持って旅する方法を網羅していないことを知っている。だから彼女は、世界中で得た情報をまとめるサイトを立ち上げることを決めたのだ。それが、『Have wheelchair will travel』。

飛行機に乗るときのポイントから、各国でできる様々なアクティビティ、泊まるべき場所まで詳しくガイドされてる。知らないことが、何より世界を狭めること。それを伝えるために、車イスで彼らはどこへでもいきたいと語っている。

Licensed material used with permission by Have wheelchair will travel
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。