希望に満ちた未来。いま、世界の30代が考えていること。
孔子の論語の中にこのような一節があります。
子の曰く、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。
孔子は30歳で独立した立場になったという意味ですが、確かに30代は人生において活力に満ち、転機を迎える時期なのかもしれません。
フォトグラファーのStephaneさんとライターのAnneさんは、世界中の30代にフォーカスしてポートレートを撮り、彼らが今思うことをインタビューして公開しています。
カザフスタン
Lazzat Trochshinskayaさん
Lazzat Trochshinskayaさんは1984年生まれの33歳。2人の子供のママとしても、デザイン・プロセスエンジニアとしても活躍しています。
「30代という年齢はまだまだ若いと思うけれど、若かった頃の経験を活かして自分にとってベストな判断ができる年代だとも思ってるわ。20代の頃にはなかった知識が30代にはある。これからやりたいことは、世界を旅すること!ただ世界を見て回るだけじゃつまらないから、サイクリングで世界一周旅行をしてみたいわ」
韓国
Jun Ho Choiさん
ソウルで暮らすJun Ho Choiさんは1985年生まれ。イギリスで語学を学びながら障害者施設で働く経験をしたのち、経営学を学んで現在はファッション業界で働いています。
「30代である実感は正直言ってあまりないのだけれど、残りの人生のことを考えると自分の年齢とも真剣に向き合わなければならないなと思うよ。今の自分から大きく変わりたいとは思わないけれど、これからもずっと勉強を続けていきたい。特に英語や中国語などの言語は、しっかり身に付けていきたいね」
ニュージーランド
Maria Maltsevaさん
Maria Maltsevaさんは1984年生まれ。ロシアで生まれ、現在はニュージーランドでグラフィックデザイナーとして活躍しています。父の仕事に憧れて子どものころはパイロットになりたかったそうですが、大好きな絵を仕事にすることを選んだのだとか。
「私は学生のうちに30代になったし、まだまだ自分は若いと思っているわ。老いは年齢に関係ないと思うの。たくさんの外からの刺激に感動して、自分の中にあるものを表現したいと思い続けている限りは、まだ日の出のような新しい時間を楽しんでいるのと同じだと思うわ」
オーストラリア
Tristan Schmahlさん
1984年生まれのTristan Schmahlさんは建設業の仕事に就いています。今後の夢は宝くじで1億ドルを当てること!
そして、世界の恵まれない子供を養子にとって穏やかに暮らすことです。
「毎日を祝うように生きてきたから、自分の年齢のことなんて気にしたことなかったな。確かに僕は煙草を吸うし、肺なんかはすっかり年老いてるかもしれない。でも、心はまだまだ若いつもりだよ」
日本
イマオカアミさん
高槻市出身のイマオカさんは1985年生まれ。シングルマザーとして一人の息子と一緒に広島で生活しています。
「20代の頃はあまり積極的に外に出て行きませんでした。だから、30代になった今、もっとたくさん友達を作って毎日を楽しみたいと思っています。これから子供は大きくなっていろいろなことを学んでいくと思うのですが、私も一緒に生涯勉強を続けていきたいです」
アメリカ
Maceo Paisleyさん
Maceo Paisleyさんは1985年生まれの起業家。子供の頃からたくさんのことに興味を持ち、科学者になりたいと考えていたそうです。その視野の広さが、今の仕事にも活かされています。
「これからもビジネスは大切にしていきたいけれど、物理学や数学などもまだまだ研究していきたいと思っているよ。生きている間に大きなことをしたい。オリンピックに出るのは大きすぎる夢だから、人の生活を変えられるようなイノベーションを考えたいね」
南アフリカ共和国
Monique Forcioliさん
1985年生まれのMonique Forcioliさんは、南アフリカのケープタウンで生物動力学者として働いています。若い頃からスポーツに親しんでいたことが今の仕事についたきっかけだったそうです。
「20代の頃は、自分が30になったときにはもう子供がいるものだと思っていたわ。それがやっと来年叶いそう。今は家族に囲まれて、パン屋を開くのが夢なの。
これからどんどん年を取っていくのは確かに怖いけれど、でも、年齢を重ねる良い面に目を向けていきたいわ」
ハンガリー
Zoltan Vargaさん
1982年生まれのZoltan Vargaさんの子供の頃の夢は生物学者。大学までずっと生物学を学んでいましたが、23歳のときにIT技術に興味を持ち、現在はウェブ開発のマネジャーとして働いています。
「大学4年生のとき、生物学からITに移行したのは人生の転機だったと思います。でも、大好きな生物学をまったく諦めたわけではありません。将来的にはもっとIT技術に関する知識を深め、動物の生態を研究できるよう発展させていきたいと考えています」
アメリカ
Stefanie Grassleyさん
女優、モデル、作家として活躍するStefanie Grassleyさんは1982年生まれ。人生で最も大切なことは、裕福な暮らしをすることなどではなく、しっかりと日々を楽しむことだとStefanieさんは語ります。
「30代という年齢のことを気にしたことはなかったわ。私はいつも自分の年齢を忘れてしまうもの。この歳になって、どんどん自分が自由になるのを感じてる。いつか自分が作った映画でレッドカーペットを歩くのが私の夢よ」
エチオピア
Beweket Ayalewさん
1984年生まれのBeweket Ayalewさんは、10年かけて自分で学費を貯め、現在大学で獣医になるための勉強をしています。伝統的な医者になりたいとBeweketさんは語りますが、今の社会でその願いは受け入れられないかもしれないという不安もあるそうです。
「この年代になって自分が大人の段階になったことは実感するけれど、自分は周りに比べるとまだずっと未熟だと思う。これからの人生にそれほど多くのものは望まないけれど、安定した仕事と、家族を持つことができたら良いなと思う。エチオピアの社会も今後より良くなるように願っているよ」