太平洋に浮かぶ「人工都市」が、2019年建設開始。

遠い海の果てには理想郷がある。

こんなおとぎ話をよく耳にしますが、それが現実となる日も近いかもしれません。

海上都市の研究機関Seasteading Instituteは、フランス領ポリネシアと協力し、太平洋に浮かぶ人工都市を作るプロジェクトを進めているそう。完成すれば、「法や税金に縛られない、自給自足で成り立つ革新的なユートピア」の実現になるといいます。

着工開始は2019年を予定。

海上浮遊都市の目的は、「人類を政治家から解放すること」。

Seasteading Instituteは2008年からこのアイデアの実現のために、建設技術の研究と建設場所の選定を行ってきました。

プロジェクト開始の段階から、その大胆なアイデアはメディアに取り上げられ注目を集めていましたが、建設候補地がなかなか見つからず、実現は困難なものと思われていました。

しかし、フランス領ポリネシアがこの構想に賛同し、人工島建設のための覚書を締結したところで、夢物語かと思われた建設計画が一気に現実味を帯びてきました。

今年中にはポリネシアの法案へ反映され、来年の法案可決を目指し、順調に進めば2019年には着工する予定だということです。

自給自足で成り立つ生活

海上都市の建物は水位の変化に対応できるよう、浮力を持った素材で基礎部が作られ、常に海面に浮いた状態が保たれるようになってる模様。今後、もし地球温暖化の影響で海面の水位が上昇しても、都市はそれに柔軟に対応することができるとか。

また、都市には住居、ホテル、オフィス、レストランを含む12の施設が建設され、電力は太陽光発電によって供給される予定。海水を使って室内の温度調節をしたり、下水を浄化する装置なども開発が進んでいます。

この画像では非常に小さな村のように見えますが、Seasteading Instituteは規模の拡大を視野に入れており、数千人もの人が暮らせる都市まで発展させるつもりのようです。

台風や地震などによる津波災害に備え、Seasteading Instituteはポリネシアの海上でも外洋の影響の少ない狭い場所を候補地として選んでいます。

今後規模を拡大するにあたって、もっと広い場所での建設ができるよう、災害に備える研究は今後も進展していく予定です。

「自由に満ちた海上のユートピア」はいよいよ実現に向けて歩き出しています。

私たち自身が今の生活から海上生活へシフトしていくことは想像しがたいですが、Seasteading Instituteの研究は、今後陸地で大きな災害が起きたときに役立つ技術としても注目されるかもしれません。

着工予定の2019年を楽しみに、今後も壮大なプロジェクトに注目していきましょう。

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