はい、見たまんまです。では、なぜ台所がシースルーなのか?

食べものを「セクシー」にお披露目するキッチン、ここに誕生。

棚も台も全部透明。包み隠さず中身を見せる。それが「Infinity Kitchen」。

誰かの洋服を脱がせたような、見ちゃいけないものを見ているような、ちょっぴりイケないことをしている気持ちになるのは、私だけ?

丸見えキッチン。

尖った視点で現代社会に気づきを与えるアムステルダムの建築会社MVRDVが、ベニスのビエンナーレに送り届けたのが、この“真っ裸キッチン”。

作業台も、棚も、蛇口も、食器も全〜部潔いまでにスケルトンだ。ここまで透かしたら、整頓されていない棚の中身まで丸見えと、ヒヤヒヤしてしまいそうだけど、こうやって透かしてみることで逆に見えてくることも。

例えば、キッチンを色付けるのは、食材だってところとか。

「もっと食べ物に愛情を注ぎたくなるんです。すると、自然とヘルシーな食選びに意識が向けられる気がしてね。もっと言えば、食がセクシーになっていく気がするんですよ」

とはデザイナーチームの弁。

言われてみれば、いろんな色の野菜を取り揃えたほうが食もヘルシーになるって聞くし、食べ物の色が一際目立つおかげで、自然と食のルックスを念頭に置くようになりそう。

透かすことで見えてくる世界

キッチンをはじめとし、私たちを分離するモノをあえて透かすことで、世界も広がっていく、とMVRDVのWiny Maasさん。

「例えばキッチンだけでなく、隣人との間にはばかる壁を透かしてみたらどうでしょう。それだけでも無数の街の見え方が生まれるはずです。窮屈な世界がほんの少し、開けてくると思いませんか?ひょっとしたら山や海だって見えてくるかもしれません」

食から始まり、世界の見方まで変えていく可能性を秘める「透明」なルックス。普段隠れているものをあえて見せることで、新たな可能性が生まれそう。

Licensed material used with permission by MVRDV - Infinity Kitchen
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。