兄ふたり妹ひとりの3人兄妹。「末っ子」だって苦労するんです。
私には7つ上と3つ上の兄がいます。子どもの頃は、お兄ちゃんが2人もいる末っ子長女(しかもB型)だから、「ワガママそう」とか「甘やかされて育ったんじゃない?」とよく言われていたっけ。
まぁ、確かにな部分もありますよ。でも、妹だって、異性の兄弟がいると気をつかうし、それなりに大変なんです。私が過去数年間もっとも苦労したのは意外にもあの日。
「くるな、くるな、バレンタインデー」
(あの頃の私の心の声)
世の中の“兄妹事情”はよくわからない。けれど、妹である私はバレンタインデーが一番兄たちに気をつかい苦労したことを、今でもハッキリと記憶に残っているのです。毎年、この日が憂鬱でした。
なぜかというと、極端にモテる長男とモテない次男の妹だったから。それでは、詳しく話していきましょう。
“いけない恋”の予感がした。
クールな男のバレンタインデー。
(長男の場合)
妹の私がいうのもなんだけど、ちょっと自信家な一番上の兄は、とにかくモテました。特に中学に入ったあたりから。
目がキリっとしていてクールで、小さい頃から“イイ男”と周囲から言われていたんです。年の離れた私は、兄と同じ学校に通うことなんて決してないのだけど、私が中学生になったとき。まさかの兄のモテっぷりが伝説として語り継がれていたのでした(まぁ、田舎にある小さな学校だったからというのもありますが)。
そんな男のバレンタインデー。ちょっと想像してみてください。同じクラスや部活に先輩や後輩、バイト先の女子。なかには、家にまでおしかけてくる人も。本当に一度だけなんですが、兄が高校生のとき、元担任の先生から手紙付きのチョコをもらってきたことも。そのとき、“いけない恋”の予感がした小学生の私。今でもあのドキドキが忘れられません。
漫画の主人公のような兄のおかげで、
妹にとっては、「胸焼け」する日。
なんで私が、かつての女子たちのことや先生のことを知っているのかというと、一番上の兄が甘いものが大嫌いだったことがきっかけ。毎年贈られるたくさんのチョコを兄は、一つを除いて食べていないのです。でも、思いの詰まったチョコを捨てるような冷たい男じゃありません。妹の私が「チョコレート係」に任命されたのでした。そのため、チョコレートに書かれた文字も、紙袋の中の手紙の存在もぜんぶ知ってたんです。いけないと思いつつも、好奇心に負けて、封をあけてしまったことは、ここで白状します。
それにしても、なぜ手作りのチョコはあんなに甘いのでしょうか?それに、焦げたチョコはほろ苦いどころか、苦い。チョコレート係になってから、驚きの連続でした。もちろん、ほとんどが美味しかったのですが、謎の胸焼けと腹痛に襲われる時も。でも、子どもと言っても同じ女である限り、彼女たちの気持ちは無駄にしたくなかったんです。ちなみに、兄が唯一食べるのは、好きな女子からのチョコ。
この話を以前、友達にしたら、まるで「少女漫画の主人公のようなお兄ちゃんだね」と言われたことがあります。
チョコレート獲得数「0」な男。
(次男の場合)
モテまくりな長男と違って、次男は私が知る限りモテませんでした。これも妹の私がいうのもなんですが、性格はとても良いと思います。コチラの記事にある通り、真ん中っ子であるので、コミュニケーション能力も高く、心のバランスだっていい兄。私にとって、いつもやさしいお兄ちゃんでした。「イイ男」だねと言われ続けて育った長男とは違い、「おもしろいね」と言われて育った次男。
一番上の兄の“バレンタインの歴史”を見ているため、どうしてこんなにも違うのだろうか。と、いらぬ心配ですが、なんだか真剣に考えてしまった子ども時代の“お節介な妹心”。
兄のためにチョコをつくり、甘いものが大好きな次男に毎年のように渡していました。今思うと、本当にいらぬお節介だったと思いますが。それでも、「ありがとう」と言って食べてくれたのは嬉しかったのです。
チョコレート獲得数が「1」になった年。
あれは二番目の兄が高校2年となったとき。なんと、チョコレートを持って帰ってきたのです。しかも、彼女と一緒に。初の彼女です。
中学生の私は衝撃を受けました。別に高校生なんだから、彼女がいてもおかしくないのですが、「あの、チョコレート0のお兄ちゃんが!?」と、兄妹と言えど、ちょっと失礼なことを心では思っていました。
ただ、別にブラコンというわけではないのですが、長男の彼女と初めて会った日には思わなかった感情が。兄もそうなんですが、思春期の“複雑な年頃”だった私。お兄ちゃんに「女」ができたというのが、なんだか不潔に思えてしまったのです。その年は、長男の時とは違った感じで、バレンタインが憂鬱な日に。
ちょっと“しょっぱい思い出”。
でも、今は甘くて「幸せ」な日。
これが、かつての私にとってのバレンタイン。良い思い出にもなったけれど、ちょっと“しょっぱい思い出”でもあります。ただ、過去に紹介した『男兄弟がいる女性に共通する「14のこと」』の記事にもある通り、子どものうちに「男」という生き物を知ることで、大人になってから役立つことが多かった気がします。特に恋愛面で。
だから、今ではバレンタインが好きってハッキリ言えます。友人だったり、家族だったり。恋人だったり、夫婦だったり。大好きな人との思い出を振り返りながら、今年のバレンタインを過ごしてみてはいかが?