東北・秋田の温泉に10日間。若返りマジックが起きた「湯治」の魅力

なんだか疲れてる。だるい。肌荒れ。便秘。長引く咳。アレルギー。現代社会を生きる多くの人々に、未病(みびょう)と呼ばれる体調不良はいくらでもあてはまる。

そこで、先人たちが体を癒してきた「湯治(とうじ)」に着目してみた。

大自然に囲まれた
家族経営の湯治場

秋田県鹿角市(かづのし)。八幡平という広大な自然と共存している銭川温泉(ぜにかわおんせん)は、秘湯が多いこのエリアでも歴史と人気を兼ね備えた湯治場だ。

湯治とは、まだ医療が今ほど発達していなかった時代において、温泉で病を治したという温泉療法のこと。1週間から10日間ほど温泉地に滞在しながら療養することと定義されていて、このエリアでも山中で緊張状態を保ちながら猟を行うマタギや、農閑期を迎えた農家などが体を癒しに来ることが多かった。

現代のライフスタイルで長期滞在が難しい場合でも、銭川温泉では日帰りや1泊などの短期利用もできる。

真冬の東北なのに
裸足でもあたたかい

正面玄関を開けると、豊かな色合いの木目が飛び込んでくる。そしてもういきなり足もとが暖かい。その秘密は床下にも温泉が通っており、じんわりと足裏に伝わるオンドルが作用しているから。

噂に聞いていたこのオンドルを体験したくて、ひとまず床に寝そべってみることにした。といっても人が行き交う玄関スペースでいきなり床に寝そべるのはさすがに気が引けたので、泊まらせてもらう個室の床で、だ。

靴を脱いだ正面玄関からずっと先にある湯治場の宿泊部屋にまで、同じように床下にオンドルが設備されている。部屋にあるのは布団と小さなテーブルのみ。窓にカーテンはなく、照明は電球ひとつ。私に充てられたのは大きさにして3畳ほどの決して広くはない部屋だが、究極なまでにシンプルな空間は想像以上に落ち着く。

床のあたたかさは外の寒さに疲れ始めていた体にちょうどよく、少し床に寝そべったらそのまま寝てしまいそうな快適な温度だ。

透明度が高く
温泉臭もない

お湯はクリアで肌あたりが柔らかく、温泉臭はしない。

同じエリアにある他の温泉は比較的お湯の個性が強いため、もしかしたら銭川温泉のアルカリ単純水はインパクト弱に思われるだろうか…いやしかし、このやさしいお湯こそが、標高500m越えの温泉郷まで湯治に来るほど疲れた人に適しているのかもしれない。

体への負担の軽さに安心して肩まで浸かることができれば、本当にホッとできるだろう。

館内に大きく掲げられていた「入湯心得」を読むと、お風呂で温まるだけではなく、お湯から出た後、オンドルでほどよく保温しながら眠ることまでが湯治のポイントのようだ。

体を温めることがいかに健康のためになるかを実感する。

インパクトのある
湯治効果を見た

アレルギーや視力、内臓の不調など、さまざまな不調が軽減したという先人たちの話を聞きながら「自然療法」というものについて考えを巡らす。確かにこんなに快適な温泉とオンドルの中で10日間も過ごせたら、何かしらの未病は治りそうだ。

しかし、正直言ってわたしが最も驚いた湯治の効果。それはこのドライフラワーと、銭川温泉を守る女性たちだった。

銭川温泉は普段、女将の季佐子(きさこ)さんが季節のお花で館内を飾るが、あたりが雪に覆われる冬の間は、草花を乾燥させたドライフラワーを飾っている。自然の恵みで作られたリースやスワッグは、眺めているだけで心が和やかになるような可憐さだ。

そして、この写真でお気づきかもしれないが、銭川温泉のドライフラワーは生花のときの色を保ち、触れても散ることのないほのかな湿気を保っている。

つまり、季節外の花が、真冬にも咲いているのだ。いや正確には確かに乾燥させたドライフラワーなのだが、地に生えた生花のようにイキイキとして見える。魔法でなければ奇跡なのじゃないかと思うほどに。

女将の季佐子さん(写真右)と、季佐子さんのお母様である初枝(はつえ)さん(写真左)

「温泉とオンドルによる適度な湿気が、ドライフラワーをきれいに仕上げるんだと思う」

と話してくれた季佐子さん自身も、30代の娘さんがいるとは思えないくらい内面から輝きを放つような艶やかな肌をされていて、お話を伺いながらすっかり見惚れてしまった。そして季佐子さんのお母様である初江さんも、非常に艶やかでハリのある美肌の持ち主だった。

温泉とオンドルのもたらす湯治の効果を、早くもお湯に入る前に見てしまった。どうやらこれは、長期休暇を取ってもう一度来るのが良さそうだ。

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