地元にUターンして、町に「はじめてのカフェ」をオープンした。

入ってくるなり「こんなカフェができたの!?」と喜びの叫びを上げる女性たち。彼女たちが驚いた理由は、ここがこの町にできた “はじめての” カフェだからだ。

© kanahosoi/instagram

おいしいコーヒーと、グルテンフリーのフードメニューで人気のカフェ「ことりうさぎ」は、秋田県北東部の鹿角市(かづのし)にある。温泉やスキー場といった北国らしい魅力はたくさん誇るものの、この町でこのカフェはまったくのニュータイプだった。

しかし真心を込めて作り上げた空間は、コンサバティブな町でも歓迎してもらえた。地元の人にリピーターは多く、また前述のようにウワサを聞きつけて遠方から来る新規客も多い。オープンから約1年、「ことりうさぎ」は連日なごやかな賑わいをみせている。

この町の日常に
息抜きを

4608893502095360
©2018 やなぎさわ まどか

「来てくれたひとが、ふっと休める場でありたい」

一人ひとりを優しい笑顔で出迎えるのは、オーナーの細井可奈(ほそいかな)さん。カフェの看板メニューともいえるコーヒーに特別なこだわりを持ち、長年サポートしているNPOから豆を仕入れている。エチオピアやタンザニアといった大自然の土地で実った野生の原種を焙煎した豆は、ほどよい酸味と苦味のバランスが良く、幅広い年代に好評だ。

また、センスの良い内装や食器も、窓の外に見える雪景色と相まって、まるで北欧にいるかのような雰囲気。

「御礼がしたかった」

5964481414823936
©2018 やなぎさわ まどか
5534718799904768
©2018 やなぎさわ まどか
4619928078385152
©2018 やなぎさわ まどか

鹿角生まれの細井さんは、早い頃から人生に目標をもって上京。飲食業界に長く、「いつかは自分のカフェを」という思いを心の片隅に持ちながら懸命に毎日を過ごした。しかし長年都会で暮らすうちに、ふるさと鹿角の自然環境に感謝が芽生えはじめたという。

「自然に囲まれた子ども時代を、ありがたかったと思えるようになった」

お子さんが小学校に上がるタイミングで、自分が育った自然のなかで伸びやかに成長してほしいと願い、鹿角市にUターンすることを決意。しばらく地元の企業に勤めた後、周囲のサポートを得て起業した。

「この町のためになることをして、なにか恩返しをしたかった」

これからもこの町の人と

5580593614028800
©2018 やなぎさわ まどか

できる限り地元の素材をメニューに活かす。イチオシのスイーツメニューは地元の牧場でつくられている牛乳を使った「牛乳プリン」。そのままでも懐かしいような優しい甘みだが、さらに特製のエスプレッソソースを掛けるとおいしさにグッと奥行きがでる。男女ともに人気のメニューだ。

「これからもこの町の、休憩できる場でありたい。人生はいろいろあるから、みんな豊かな気持ちで生きてほしい」

おいしいコーヒーを紹介できるように、地域イベントなどにも積極的に参加する予定だ。

 

お気に入りのカフェで、自分に戻る瞬間。

それは気持ちよく生きるための、大事な「コツ」なのかもしれない。

取材協力:ことりうさぎ
愛知県名古屋市で教員生活をしていた山田忠男さん。定年退職を機に、北海道の厚真町で羊農家に挑戦しました。厚真町唯一の羊農家となり、羊肉を出荷しています。羊の...
「燻製が好きすぎて起業する人がいる」と聞き、興味を覚えた。雪が降り続ける秋田県鹿角市。起業を目前に控え、溢れんばかりの希望を抱えた松村 託磨(まつむら た...
秋田県北東部、青森・岩手の県境に接する鹿角市(かづのし)。かつては鉱山によって栄えた過去を持ち、現在はきりたんぽ発祥の地とされている。「“たんぽ”は、家で...
外国人シェフ最少年の28歳でミシュランガイドの星を獲得した料理人・松嶋啓介が教える大切なことーー。
「McLean Metalworks Hammock Mount」は自動車の牽引フックに取り付けるハンモック。
国内に人気雲海スポット、長野県の竜王に、新しいカフェが誕生。その名も「SORA terrace cafe」は、まるで雲の上にいるような感覚を味わいながら、...
「函館」には、町を内側から元気にしようとしている人たちがいる。リードしているのは、箱バル不動産の代表、蒲生寛之さん。蒲生さんは4年前、地元函館の西部地区に...
オシャレなカフェが立ち並ぶ街、台北。でも、実際どこに行けばいいのかわからないもの。今日は最近、台北で人気の“ドライフラワーカフェ”をご紹介。ガイドブックと...
岐阜県の南に位置する、各務原市。「かかみがはら」とも「かかみはら」とも「かがみがはら」とも呼ばれる、正式名称すら曖昧な街に、昨年秋、新しい風を吹き起こすカ...
昨年末のオープンと新顔でありながら、早くも京都のカフェシーンを代表するほどの人気を集めています。
スマートボールは人生そのもの。そんな風に教えてくれたのは、群馬県の四万温泉にいるふじこさん。スマートボール屋さん「柳屋」の名物オーナーです。レトロな空間で...
メルボルンがカフェの街といわれるのは、コーヒーの質が高いということではなく、お店全体に広がる「おもてなし」の気持ちと、コーヒーにたっぷり注がれている愛情の...
ここ数年、地方の魅力を発信するムービーを数多く見かける。ときにそれはネットを通して世界中を駆け巡り、海外から「amazing!」の声が届くこともしばしばだ...
お客さんも店主も楽しみながら“試せる”リアル空間「BPM」。その魅力について、カフェオーナー第一号のバリスタ窪田秀平さんにインタビュー!新しいことに挑戦す...
カフェってPC作業に集中できるけど、あまり良く感じない人もいるみたい。たしかにコーヒーを楽しむ空間でカタカタと隣で仕事をされると…。あなたはどう思う?
「Uターン就職」。実家を飛び出し、首都圏の大学に進学。その後また故郷に戻って職を得る。そういう選択肢も増えています。でも故郷に帰るなら、いっそもう一度実家...
湯治とは、まだ医療が今ほど発達していなかった時代において、温泉で病を治したという温泉療法のこと。1週間から10日間ほど温泉地に滞在しながら療養することと定...
いま、「世界最高」の名を欲しいままにするケーキがあるのを知ってますか?
日南・飫肥で、地域再生や古民家再生プロジェクトなどに関わる人たちが、誰が呼びかけるわけでもなく自然と集まってくるBarがあります。雰囲気は、アメリカの田舎...
2017年の9月に北谷にオープンした「AIEN Coffee and Hostel」は、沖縄県初のカフェ&ホステルという形態。お店の名前は、フシギなめぐり...
窓際のソファ席、フリーWi-Fi、電源コンセント、あとはおいしいコーヒー。それを勝手にカフェに求めているワガママな客は、決して私だけではないはず。ワーキン...
「忘れかけてた 恋しい景色 小さな手を握りしめて 行こう 帰ろう」。そんな優しい歌とともに始まる、秋田県を題材にした動画をご紹介。切り取られたのは、家族で...
シアトルは自家焙煎の豆を使ったカフェが多いのも特徴です。そういうところは大抵、お店の名前が「〇〇〇ロースター」となっています。そこに誇りを感じますね。古き...
誰にでも、お気に入りのカフェのひとつはあるはずだ。おいしいコーヒーはもちろん、BGMのセンスが良かったり、そこでしか味わえない料理があったり、いつ訪れても...