失恋は、脳にこれだけのダメージを与えている
誰かを好きだった気持ちを、静かに忘れていくとき。自分の手で壊さなきゃいけないとき。愛情のない手によって、恋心を殺されるとき。
失恋は、“精神的な死”だと思う。
たとえ自分から、別れを切り出していたとしても。誰かを愛していた自分が、自分の中で死んでいくから。
『Psychology Today』Guy Winchさんの記事より
失恋をすると、心はものすごいダメージを受けます。
痛みはお腹の底からこみ上げてくるかのようで、胸から喉を伝い、内臓にまで響いてくる感覚。心臓だって、本当に傷を負ったかのよう…。
“胸が引きちぎれそう”なんて表現をするように、心臓とその近辺にばかり焦点を当てますが、精神的なダメージが大きいとき、気を配るべきは脳です。脳が反応するからこそ、最悪の症状を感じるわけです。
失恋は様々な症状を引き起こしますが、主にこの3つを抑えておきましょう。まず体がどう感じ、考え、行動に出るかを知る必要があります。
傷が完全に癒えるまで
何度もえぐられつづける
fMRIによる研究曰く、肉体的な痛みと、失恋の痛みは同じ脳の領域で処理されるそう。なかには、精神的痛みを“ほぼ耐えきれない肉体的な痛み”と訴えた、なんて研究結果も。
また、肉体的な痛みが長期に渡って続くことはないにしても、失恋の痛みは数日、数週、あるいは数ヶ月続く可能性だってありますよね。だから、この痛みは危ないのです。
仕事にも私生活にも影響が出る
ほかのfMRIより行われた研究を見てみると、失恋はコカインやオピオイドから離脱するときに起こる離脱症状と似た働きをする、という結果も出ています。
愛を失ったときに感じる離脱症状は非常にパワフルで、考えたり、集中することが難しくなり、ざっくり言うと機能ができなくなります。
たとえば麻薬中毒者が離脱症状を引き起こしている際には、精神が安定していないため、仕事や私生活において通常通り振る舞うことは難しい、と判断しますよね。失恋も同じように、期待値を下げ、見守られるにふさわしいのです。
美化した思い出が
脳内に浮かびつづける
失恋の傷を負っている間は、ふとしたときに元恋人のことを考えてしまいます。たとえば彼らの表情だったり、過去の会話だったり、楽しかった思い出だったり。
その度に傷をえぐられ、心の痛みは再発し、離脱症状が引き起こされます。これが1時間の間に何度も起き得るのだと考えると、回復するのに時間がかかって当然です。
「必要以上に、そしてとめどなく元恋人のことを考えさせているのは、脳だ」と客観視して、元恋人に思いを巡らす回数を減らすことで、肉体的な傷もより早く癒せます。回復途中の自分を必要以上に批判したり、責めたりせずに、優しくできるように心がけましょう。