脳を刺激して「なりたい気分」をつくり出すヘッドセット
ニューロサイエンス(神経科学)に基づくウェアラブルデバイスの開発が相次いでいます。情報化社会をフルスロットルで日々生活しているうちに、いつしか自分の思考が追いついていなかった…なんて経験のある人には、こういうデバイスが有用なのかもしれません。
だけど、外部から直接脳に刺激を与えるって、大丈夫なの!?
脳波を刺激して
気分をコントロールするデバイス
目の前の仕事にフォーカスし、ストレスフルな日々をおくり、心落ち着けて眠りに集中する。気分をリラックスさせて心をリセットするためには、脳波がカギを握っています。これを瞑想などで意識的にマインドセットできる人は、そう多くありません。
そこで、脳に直接電気的な刺激を与えて、脳波のスピードを変えることで、気分をコントロールしてしまおうというのが、アメリカで開発されたヘッドセット「ELF emmit(エルフエミット)」です。
平たく言えば、自分自身で心と体のトーンを調整するメトロノームみたいなもの。脳の周波数をいじることで、両者のバランスを意図的に合わせ、ポテンシャルを最大限発揮できる状態にもっていくサポートをしてくれるというのがこのデバイス。
なんだか怖い気もしますが、米食品医薬品局(FDA)による、「人体に悪い影響がない技術」とのお墨付きなんだとか。
自分自身に最適化された
ウェアラブルデバイス
そもそも心と体は、我々が何をしているかに応じて異なる速度で活動しています。それは脳の周波数に由来している、というのがエルフエミット開発者たちの考え方。
たとえば寝ているときやリラックス状態のときほど周波数は低く、逆に創意工夫したり、何かに集中しているときほど高くなる傾向。この周波数のレベルと、目の前のタスクがかみ合わないときに問題が起こるんだそう。
そこで、エルフエミット本体から超低周波の電磁パルス(2~19Hz)を発し、外部から小脳へと直接アプローチをかけるのがこのデバイスの仕組みです。
スマホで操作し、
5つのモードで気分転換
後頭部にエルフエミットを装着したら、スマホやタブレットのイヤホンジャックと接続。あとは、シンプルな無料アプリケーションでモードを選択するだけの簡単操作。集中、アンチストレス、瞑想、ディープラーニング、スリープと、モードは全5種類。パルスの強弱によって脳波をコントロールしていきます。
気分が乗らないときでも集中モードに切り替えたり、騒音が気になる場所でも勉強がはかどる。眠りたいのに興奮してなかなか寝付けない夜にもいいかもしれません。実際、これがどこまで効果が期待できるのかは、試してみないことには分かりませんが。
でもその期待も大きかったようで、クラウドファウンディングで潤沢な資金調達を終え製品化、すでに日本でも販売がスタートしていました。商品自体は129ドル(約13,000円)ですが、輸入手数料などを含めそれでも2万円前後。う〜ん、手の出せない値段じゃないところが、またキニナル!