日比谷松本楼とハイカラビーフカレー

屋外で食べるカレーっておいしい

そこで!

庭園や公園を眺めながら食べられる
おいしいカレーを集めました

 

#1

 

明治時代の話。日比谷交差点がある場所に、大きなイチョウの木が生えていました。明治32年頃に道路拡張のため伐採の話が出ましたが、日比谷公園の設計者である本田静六博士がこれに大反対。博士は自分の首を賭けてでも……と移植しました。その木は今、日比谷公園の真ん中あたりに植えられていて、「首かけイチョウ」と呼ばれるパワースポットになっています。その目の前にあるのが、老舗洋食レストランの松本楼です。

 

© 2019 TABI LABO
©日比谷松本楼
© 2019 TABI LABO

 

森のレストラン 日比谷松本楼は、日比谷公園が開園した1903年(明治36年)にオープンしました。当時のカフェテラスは、パリの郊外を思わせるようなもので、ハイカラな人々に大人気だったとか。お店は、夏目漱石、津村節子、高村光太郎などの作品にも登場。関東大震災や学生運動によって2度も全焼するなど激動の時代を経て、今も昔と変わらないメニューを注文できます。

 

© 2019 TABI LABO

 

定番のメニューは、ハイカラビーフカレー(1,058円税込)。焼失をまぬがれた貴重な資料から、大正時代のレシピを再現したものです。英国由来の濃厚なカレーライスとシンプルな福神漬けの組み合わせは、洋食がまだ珍しかった時代の最先端でした。モボやモガ(モダンボーイ・モダンガール)と呼ばれた、流行に敏感な若者のあいだで、ハイカラビーフカレー、珈琲、アイスクリームを注文するのが大流行。今もその人気は変わらず、1階席の窓がフルオープンになる、桜、新緑、紅葉の季節は、行列ができるほど賑わいます。ランチタイムとティータイムの予約はできないので、要注意。

 

©日比谷松本楼
Top image: © 2019 TABI LABO
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。