圧政から逃れ日本へ。ミャンマー人コミュニティ「リトルヤンゴン」誕生の理由②

©2019 TABI LABO

──リトルヤンゴンの規模が縮小しているのは、在日ミャンマー人が日本社会に馴染みはじめた証拠なんですね。

 

落合さん そうだと思います。今は第一世代のミャンマー人に子どもが産まれ、少しずつ世代交代がはじまっている時期です。

ちょうど今日も日本で育った子が大学受験に合格したため、入学のお祝いパーティーをしていたところです。

在日第二世代は、幼少期から日本の学校に通いながら暮らしてきた子たちなので、親の世代よりも日本社会に馴染んでいますね。

 

マヘーマーさん 規模としては減少傾向にありますが、リトルヤンゴンは在日ミャンマー人にとって心の拠り所でもありますし、来日したばかりのミャンマー人が日本で生活していけるよう適切なサポートをおこなう場でもあります。

また、私たちが立ち上げた「日本ミャンマー・カルチャーセンター」(以下 JMCC)は、日本で産まれたミャンマー人子弟たちに自国の文化を伝える場としても機能しています。

在日ミャンマー人は本国では中産階級以上に属する人たちがほとんどで、世話好きで誇り高く、文化的な意識を高くもった人が多いです。そこで、JMCCでは私たちミャンマー人から日本人に対して価値や文化を提供していく取り組みをおこなっていきたいと思っています。

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──日本でも移民政策が真剣に検討されつつありますが、ある意味でリトルヤンゴンの歴史は日本が移民を受け入れたときの社会を暗示しているようにも思います。

 

落合さん 今は高田馬場の周辺でもコンビニの店員さんは外国人ばかりですし、もはや在日外国人や留学生の労働力抜きには運営が難しいはずです。

先ほど「現在は正規ビザをもつ人ばかり」と言いましたが、一方では外国人技能実習生として来日したものの、あまりにも酷い労働環境だったために逃げ出してリトルヤンゴンにたどり着いた人もいると聞いています。

また、留学ビザで来日した学生たちもビザで決められている労働時間だけで生活費や学費を捻出するのは非常に困難です。

今後は政府も移民政策やダイバーシティ重視の社会作りを積極的に推進するようですが、もっと現場の人たちの声に耳を傾けてくれることを願っています。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。