神奈川の無人島・猿島、「暗闇のミュージアム」で見えるものとは

この島の「暗闇」は、何を教えてくれるのだろう。

来たる11月3日から、神奈川県横須賀市の無人島「猿島」を舞台に開かれるアートプログラム「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は、日没後からスタートする。

これは、視覚や感覚を制限しながら、猿島に漂うさまざまな気配を感じることで、現代社会に生きる私たちが「おそらく忘れかけているであろう感覚や感情」を呼び覚まし、一人一人が持つ想像力を通じて、自らの生活や個人のあり方を見つめ直すきっかけを与えてくれるというイベントだ。

プロデュースは「ライゾマティクス」代表取締役の齋藤精一氏。参加作家は、オノ・ヨーコといったアーティストとの協働で知られるクリエイティブ・ユニットの「ワイルドドッグス」や、「ファスナーの船」「空気の人」などの作品を手がける鈴木康広氏など豪華な面々。

猿島に一歩足を踏み入れると、弥生時代の生活がうかがえる洞穴、明治時代初期に築かれた砲台跡など、これまでに島を訪れた人々が残したであろう痕跡が至るところに。それらが自然と融和した景観のなかに身を置いてみると、木々の向こうに潜む鳥たちの視線を感じたり、かつてこの島にいた人も聞いたであろう波の音や、木々が揺れる音が聞こえてくる。

文明を発展させるなかで、時には自然を滅ぼし、過ちを犯してきた「人間中心」の世の中を再定義する時──それが、今。

唯一無二の存在である自然島「猿島」だからこそ、そして暗闇の中だからこその気づきがあるのかもしれない。

©2019 横須賀都市魅力創造発進実行委員会
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