塩水に浮かんで瞑想。住所非公開の「UNBORN」に潜入取材!
都内某所。
大通りに面したビルに入り、地下へと続く階段を降りていく。途中からは明かりがなく、暗闇のなか、水滴がしたたる音が聞こえてくる。
階段を降り切ったところに、真っ黒な扉。その向こうに待っているのが、新時代のリトリートラウンジ「UNBORN(アンボーン)」だ。
完全会員制、住所非公開。
都内のど真ん中でありながら、外界と隔離されたこの空間では、まったく新しいアプローチで心をリセットすることができる。
UNBORNを構成するのは3つのエリア。
塩水に浮かぶ「アイソレーションタンク」、カラーサウンドを浴びる「メディテーションルーム」、そして現代アートのエネルギーを感じる「クリエイティブラウンジ」。
2021年1月のオープンを前に、一足早く「アイソレーションタンク」と「クリエイティブラウンジ」を体験させてもらった。
受付を済ませ、アイソレーションタンクが設置されている部屋へと向かう。真っ暗な通路には、ヴァーチャルモデルimmaに手で刺繍を施した、アーティスト・清川あさみの作品が。
新感覚の「フローエクスペリエンス」
部屋のなかには、巨大なタンクが鎮座。
このアイソレーションタンクとは、塩水に浮遊することで深い瞑想状態に入ることができる装置のこと。照明は落とされ、内部は真っ暗。耳栓を装着し、視覚と聴覚を遮断(アイソレーション)する。
塩水はあの死海の約1.5〜2倍の超高濃度。温度は体温とほぼ同等の35℃台に設定されている。これによって塩水と皮膚との境が曖昧になり、無重力に近い状態で浮遊できるというわけ。
ちなみに、使用されているエプソムソルトは水を滅菌するため、一般細菌は生存できないとされている。利用前にはフィルターシステムを作動させ、人間の髪より100倍も細かな微生物まで濾過。常に清潔な状態を保っているので安心だ。
さて、この状態で60分——。
まるで羊水。生まれる前の胎児になり、母親のお腹のなかにいるかのような気分で安心感がある。肉体感覚が徐々になくなっていき、意識だけの世界へ——。
不思議な感覚だ。体は完全にリラックスしているのに、頭は冴えている。「リトリート」というワードの響きから(こちらの勝手な想像で)脳も休息モードに入るものだと思っていたが、体感としては対極。“ゾーンに入っている”に近いかもしれない。
肉体は休まり、脳はフル回転するとあらば、日常での気づきに敏感になる。新たなアイデアの発見やクリエイションのきっかけをもたらしてくれそうだ。
実際に、ある経営者は「利用後の打ち合わせで次々とアイデアが浮かんだ」ことから、アイソレーションタンクの虜に。また、試合前の緻密なイメージトレーニングにアイソレーションタンクを活用しているトップアスリートもいるのだという。
つまりは、最高のパフォーマンスを発揮するためのツール。納得だ。
アイソレーションタンクを通じてUNBORN(胎児)の状態に戻ったあとは、クリエイティブラウンジへ。生まれたばかりのまっさらな心で、椅子に座りながらアート作品のエネルギーを体感する。
サウナにおいて休憩が肝であるのと同様に、この時間もまた必要不可欠なもの。ただし、基本的には目を閉じて何も考えないようにするサウナの休憩とは異なり、ここでも脳はフル回転。なにしろ、これを観るだけでも十分に価値のある新進気鋭の現代アーティストたちの作品が並んでいるのだ。
五感をフルに活用して、これまでにないアートエクスペリエンスを堪能すべし。
サウナとは違う新たな“ととのい体験”を経て、令和は日々過剰な情報に囲まれ、囚われてしまった自身の心と体を本来の姿に解放する「セルフコンディショニング」の時代であると再認識。今後も新たなサービスが登場するかもしれない。
なお、UNBORNは現在プレオープン期間で、近日中に会員の一般募集を開始する予定。会員枠は限りがあるため、体験したい人はコチラからLINEのウェイティングアカウントを登録し、情報を待とう。
なお、今回は体験できなかったメディテーションルームはこのような雰囲気。
音と光を全身に浴びながらおこなう「世界初のカラーサウンドメディテーション」では、立体音響のパイオニア・伊藤カズユキ氏による「KISSonix Immersive 4D Sound」が全身を包み込み、深い瞑想状態へ誘うという。
こちらもまた、新たなリフレッシュ体験となることは間違いない。