【実験結果】コウイカに自制心?「マシュマロ実験」に合格
先日、英「ケンブリッジ大学」と米「ウッズホール海洋生物研究所(MBL)」の共同研究チームが、ある論文を発表した。
その内容とは「コウイカ(イカの種類)には、自制心が備わっている」ことを示唆するもの。
実験で「マシュマロ実験」の派生版が実施され、証明されたようだ。
「マシュマロ実験」は、子どもに対して「今、目の前にあるマシュマロを食べるのを我慢できたら、あとでマシュマロを2つあげよう」という内容で、子どもの“自制心”を測定する際に使用される。
今回のコウイカの実験では、マシュマロではなく、エビのかけらとおいしそうな生きたエビが用意され、エビのかけらを食べるのを我慢できれば、生きたエビが与えられるという内容に変更して実施されたという。
© 2021 Alexandra K. Schnell, Markus Boeckle, Micaela Rivera, Nicola S. Clayton and Roger T. Hanlon
実験結果は、もっとも我慢ができない個体でも、生きたエビが放たれるまで50秒ほど待機し、もっとも我慢強い個体は2分以上も待つことができたとのこと。
研究者によると、同様の実験を通して、チンパンジーやカラスなどが自制心を持つことは証明されているが、イカのような軟体動物が自制心を持っている結果は驚くべきことであるという。
人間の自制心は、長期的な目標を視野に入れて社会的な絆を強めるためにあると考えられているため、寿命が3年と短く社会性の低いイカが自制心を持っていることは説明が難しいらしい。
独自の生存戦略をとってきたコウイカの高い知性についてはたびたび研究がおこなわれており、まだまだ未知の部分が大きいようだ。
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