マヨラーなら知っておいてほしい「キユーピー」のキャラクターのお話

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「キユーピー株式会社」が設立された日

サラダや焼き物などの調味料としてだけでなく、揚げ物、煮物、さらには白米へのトッピングといったそれぞれの使い方で食卓に欠かすのことのできない存在のマヨネーズ。

今から103年前(1919年)の今日11月30日は、そんなマヨネーズをはじめとしたさまざまな食品を世に送り出す「キユーピー株式会社」が創設された日です。

前身の「食品工業株式会社」の取締役のひとりだった中島薫一郎氏が、会社設立以前、官庁が主催する海外実業訓練生としてイギリスとアメリカにわたった際にはじめて目にした、卵とオイル、そして酢を主原料にした「マヨネーズ」なる調味料。

そのおいしさと栄養価の高さに目をつけ、日本の食文化が除々に欧米化していくなかで開発、販売して大ヒット。その後、パスタソースやジャム、調理済み食品、ベビーフードなどを展開して世界へと進出をはたした「キユーピー」ですが、ある文化圏では、あのお馴染みのキャラクターの“一部”が改変されているのをご存知でしょうか?

その一部とは、羽。あの背中にちょこんとついた、翼です。

「え?それじゃ天使じゃなくて、かわいい普通の赤ちゃんになっちゃうのでは?」──そう、問題はまさにそこにあります。

羽のないキユーピー製品が販売されているのは、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア諸国。

それらの国には敬虔なイスラム教徒が多く住んでいるのですが、ムスリムは“偶像崇拝”を固く禁じられており、あのキャラクターが天使(≒神)と捉えられた場合に問題視される恐れがあるとの理由から羽をなくすに至ったのだとか。

渡航にかかわるインフラが発展し、インターネットをはじめとした情報網の拡充により世界は小さくなりました。が、それぞれの場所には、歴史や風土、文化によって育まれたさまざまな価値が存在します。

インクルーシブな社会の実現は、まず認め合うことから。今日という日を、そんなことを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。