日本と宇宙の食卓を変えた「世紀の大発明」
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
世界初のインスタントラーメンが誕生した日
2018年の秋から約半年にわたってNHKで放送されていた連続テレビ小説「まんぷく」。
安藤サクラが一息で麺をすすり込むシーンが印象的なこの作品のもととなったのは、言わずもがな、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を開発した「日清食品」の創業者・安藤百福(ももふく)氏と妻・仁子(まさこ)さんの物語です。
そして今日、8月25日は「チキンラーメン」がこの世に誕生した、記念すべき日。
ときは戦後間もないころ、焼け野原となった街にポツンと佇むラーメンの屋台に客の長蛇の列ができていた風景を目にした百福氏。
「もっと手軽にラーメンを食べられないものか......」。
そんな思いから家庭で簡単に作れるインスタントラーメンの開発に着手します。
①おいしいこと
②簡単に調理できること
③長い期間にわたって保存できること
④価格が手軽であること
⑤衛生的で安全なこと
開発に際して氏が掲げ、自身に課した条件は、当時の技術では非常に困難なものばかりだったといいます。
とはいえ、ドラマで描かれていたように、夫婦二人三脚でその難題に立ち向かい、今から64年前の1958年の今日、ついに「チキンラーメン」は完成したのです。
一昨年は、特別にアレンジが施された製品(日清スペースチキンラーメン)が「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」の定める「宇宙日本食」に認定。「国際宇宙ステーション(ISS)」で野口聡一氏をはじめとする宇宙飛行士たちにも提供されました。
1991年にパッケージに登場した「ひよこちゃん」は、見た目の通り、まだまだちっちゃなヒナ鳥。さて、成鳥になって羽ばたいた暁には、今度はいったいどんな未来を見せてくれるんでしょうか。