「父の日って、いつだっけ?」──そんな人に知ってほしい「父の日」の誕生秘話
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
父の日
今日6月19日は、日本では毎年6月の第3日曜日に「父への感謝を伝える日」として支持される「父の日」です。
さまざまなイベントやキャンペーン、セールなどが催される「母の日」(5月の第2日曜日)と比べると、やや盛り上がりに欠ける感のある(?)父の日ですが、その起源はじつに愛のこもったものだったのです(※)。
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ときは1909年。米・ワシントン州東部の街・スポケーンに住む女性が「牧師協会」に、とある想いをぶつけます。
「母への感謝を表す『母の日』があるのなら、同じように父親に気持ちを伝える日を作ってください」──。
女性の名はジョン・ブルース・ドット。前年(1908年)に「母の日」が制定されたことを知った彼女にとって、母親と同様......いや、母親以上に父への感謝を示す日こそが大切でした。
南北戦争で北軍の軍曹を勤めた彼女の父、ウィリアム・ジャクソン・スマートは、退役後、早くに亡くなった妻に代わり、6人の子どもたちをたったひとりで育てたといいます。決して豊かとはいえない時代、若くして従軍し、その後の生活の糧も満足に得るのことのできない男性が6人もの子どもを育て上げることがどれほど大変かは、決して想像に難くないでしょう。
そんな父への感謝から、父の誕生月である6月に「父の日」の設立を嘆願した彼女の想いは街へ、州へ、そして政府へと届き、1966年の大統領告知により6月の第3日曜日が「父の日」と定められ、1972年、ついには国民の祝日となったのです。
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制定からすぐに一般へと広く浸透した「母の日」に対し、アメリカ国内で多くの人に認知されるまでに約60年という長い時間を要した「父の日」ですが、現在は世界中の多くの国や地域で父親への感謝を表す日として親しまれています。
世のすべてのお父さんへ──ありがとう。
※「父の日」の起源には諸説あり。当稿は「一般社団法人 日本メンズファッション教会内 FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会」のオフィシャルサイト内の記述を参考にしています。