「究極のファッション」を提示したバーバリー。ブランド初となるシク教徒のモデルを起用
多様性が拡大し続ける昨今。
人種、ジェンダー、そして身体まで幅広く“美”の概念に取り入れられるいま、次に来るのはなんだろう。
どうやら「バーバリー」が出した答えは、宗教のようだ。
© i_am_sahib_singh/Instagram
2022年のキッズ秋冬コレクションでモデルに起用されたのは、ブランド初となるシク教徒の子ども、Sahib Singh(サーイブ・シング)くん。
シク教は15世紀末にインドで開かれた宗教で、教徒の人々は頭にターバンを巻いたアイコニックな姿で知られている。 この4歳の少年が体現しているのは、そうしたシク教徒たちのコミュニティの象徴。
本来ファッションとは、内面を外見で表現する手段。ならば、“究極の内面性”とも言える宗教をファッションと見做すのはある意味当然のこと。
同コレクションでは、シク教徒のシンボルであるターバンをそのままハイファッションのセンスに落とし込み、「ブランドが宗教の価値観に寄り添った」素晴らしき例となったわけだ。
しかも、ブランドのスタイルを崩さずに昇華したというのが注目したいポイント。
かつては炎上沙汰も抱えたバーバリーだったが、少年のターバンはブランドの成長の証と言えるだろう。
老舗ブランドが示した、ハイファッションの新たな可能性に拍手を送りたい。
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