「バレンシアガ」公式がユーズドの販売をスタート
素材や生産プロセスの見直しをはじめ、着々とサステナブルな業界へと改革が進んでいるハイファッションの世界。
中でも、大手コングロマリットとして業界を牽引している「ケリング」は、昨年も傘下全ブランドでの動物素材廃止を宣言し、大きな話題を呼んだ。
そんな同社より、今度は「生産後」を見直す新たな取り組みが発表。
ケリング傘下の「バレンシアガ」が、ユーズドアイテムを引き取り、再販する「Re-sell Program」をスタートしたのだ。
このプログラムは、売りたくなったバレンシアガのアイテムを店舗に持ち込む、またはオンラインの回収サービスを利用することで、「Reflaunt」というプラットフォームを通じて25以上の二次流通市場で委託販売されるというもの。
ブランドが直接販売を手掛け、着られなくなったアイテムが“ユーズド”という新たな価値を持って再び市場に並ぶわけだ。
一般的に、二次流通品にはブランド品とは異なる魅力が存在しているが、価格の低下によってブランド価値が損なわれるという懸念もある。
世界でもっとも「ブランド価値」が認められているメゾンの一つであるバレンシアガが公式の二次流通に着手したことは、「そんなことでブランド価値は下がらない」という確固たる自信を感じさせるものだ。
ちなみに、ブランド品専門のECプラットフォーム「Lyst」が四半期毎に公開している「ホットなブランドランキング」では、バレンシアガは2位を獲得、さらに1位はグッチ(ケリング傘下)と同社の業界への影響力は言わずもがな。
日本で同サービスが展開されるかは未定であるものの、大きな影響力を持つケリング、そしてバレンシアガの持続性への取り組みは嬉しいニュース。
今年初頭には「バーバリー」も似た取り組みを発表しているなど、ハイブランドによる二次流通への参画は着実に進んできている。
ライバルたるLVMHをはじめ、今後さまざまなブランドが続いていくことに期待したい。