アメリカで「リアル書店」が復活の兆し……
米最大の書店チェーンである「バーンズ・アンド・ノーブル」は、2023年に30店舗を新たにオープンする計画があるという。
2008年のピーク時には、全米で726店舗を有していた同社は、読書離れが原因で規模の縮小を余儀なくされ、現在は600店にまで減少した。
しかし、新型コロナウイルスの流行における読書ブームの再燃やパンデミック下における収益改善の影響で、店舗数拡大へと舵を切ったようだ。
ボストン地区には、以前 「Amazon Books」 が借りていたという場所に新しい店舗が 2店舗オープンするらしい。
もともと同社は、利用客に長期滞在を促すことで拡大してきた書店。多くのお店には、「スターバックス・コーヒー」も併設されており、ゆっくり試し読みできることがウリだった。
パンデミック下では、さらに利用客にゆっくりした時間を提供できるよう、広い通路や小さなテーブルの設置といった地道な努力のほか、店長が地元の好みに合わせてタイトルを選出できるといった施策が行われてきた。
そして、そんな背景があってか今年から更に店舗の拡大を再開するようになったようだ。
今や、携帯やタブレットでも本は読むことができる。それでも、紙の本を読みたくなるのには、他にない魅力を持っているからに他ならない。
今回の成功は、「大切になる1冊」との出会いの場所として、本屋が提供する価値を再分析した結果ではないだろうか。
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