脳のインプラントに「ぷにぷに」の新素材が登場
“ぷにぷに”で人間の脳と機械が合体!?
ハーバード大とMITの研究員たちによると、水を触媒とするヒドロゲルを活用することで脳と外部機器を接続することが可能になるという。
学術誌『Advanced Healthcare Materials』にて記載された論文によると、伝導性のある新ヒドロゲル「scaffold」が、脳の神経信号を機械用に翻訳するBCI(ブレイン・コンピューター・インタフェース)開発に役立つと主張している。
じつはこのBCI、イーロン・マスクが運営している「Neuralink」など、様々な企業がすでに着手しているんだとか。
その開発目的は、神経系疾患をもつ人々の脳のモニタリングや盲目の人の視力を蘇らせるなど、今まででは届かなかった医療領域での活用を目指しているそうだ。
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同技術はまだまだ研究中だが、米政府は2022年時点で世界のおよそ40人近くの患者が、ニューロン(神経細胞)の細胞体が集まる灰白質にBCIをインプラントしているという。
しかし一般的なBCIは、電極を有する小さな金属板でできており、感染症や拒絶反応など脳へのダメージリスクが少なからずある素材。今回のscaffoldのようなヒドロゲルならリスク軽減だけでなく、多孔構造のため、脳細胞の成長を支える微環境を確保できることから、新素材としての期待が高まっている。
日進月歩で向上する医療テクノロジー。新たなBCI研究により、必要としている患者のもとに届く未来も近づきてきているはずだ。
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