混みすぎてカオスな富士山。いま、驚きの「打開案」が!
日本が世界に誇る名峰、富士。
じつは今、富士山に耳を疑うような、なんとも想像し難い計画が持ち上がっていることをご存知だろうか。
それが、富士山に新型交通システム「Light Rail Transit(LRT)」、つまりは路面電車を開業させるという計画だ。
先日、栃木県宇都宮市でLRTが開業したばかりだが、今回の計画の目的は宇都宮市の場合とはやや異なるようだ。
宇都宮市をはじめ、世界各国で導入が進むLRTに期待される役割は、環境負荷の削減やバリアフリー、そして地域活性化のために交通網の利便性を高めることだ。
しかし、富士山では交通網の利便性を高めることは期待されておらず、むしろ“登山への利便性は低下する”可能性もあるという。一体どういうことなのだろうか。
ここには、最近話題の「オーバーツーリズム」問題が深く関わっている。
昨今の富士山の状況をご存知だろうか?
動画からもわかるように、観光客数がキャパシティを完全に超えてしまっている状況なのだ。
「世界文化遺産」登録とともに海外からの登山者が激増した富士山。コロナ禍での登山者減少は見られたものの、2023年にはコロナ前の水準にまで登山者が回復したという。
これにより、山小屋は連日満室となり、危険性が高いと言われる“弾丸登山”(車でアクセス可能な五合目を深夜に出発し、宿泊をしない登山方法)が急増、体調不良者が続出するケースは枚挙にいとまがない。
それだけでなく、登山者のゴミの不法投棄がされていることや、あちこちで用が足されてしまうことによって富士山の環境破壊が深刻な問題となっている。
その解決策として白羽の矢が立ったのが、他でもない「LRT」だ。
計画では、現在有料道路として使用されている富士スカイラインの一般車両の通行を禁止し、道路上に軌道を敷いて運行するというもののようだ。
そして、LRTに乗車制限を設けることや、運行間隔の調整を行うことによって富士山へ入山する登山者の数を調整するという狙いらしい。
当然、地元住民からの反発の声も少なからずあるようで、すぐに実現!というわけにはいかないかもしれない。
しかし、交通の利便性を強化する目的で使用されることが多いLRTを、あえて入山制限に利用するという斬新な発想は興味深い。
これからも、富士山の混雑緩和対策からは目が離せない。