デンマークは「生命科学研究」を牽引する世界のリーダー!今後のカギは魅力的な教育制度と国際化にあり!?

デンマークが生命科学研究で世界を先導。歴史的なインスリン発見から生じた戦略的投資が、新たな科学的発見への道を切り開く。

この記事の要点

・デンマークはインスリン製造の成功から生命科学研究に莫大な投資を行い、世界を牽引する存在に

ノボノルディスク財団などの慈善団体が研究への資金提供を推進し、国際化を活発に

・政府の新しい「生命科学戦略」は、臨床試験と医療システムの改善に注力

デンマークのライフサイエンス研究の成功は、国家投資戦略と共に、その深い歴史に根ざしている。

遡ること約100年前、3人のカナダ人科学者がインスリンの抽出・精製に世界で初めて成功した。これに触発されたデンマークのKrogh夫妻は祖国でのインスリン製造を開始。デンマークの製薬業界に革命をもたらすこととなった。

いま多大な資金を国内の研究所に投資する大手製薬会社「ノボノルディスク」社と同ノボルディスク財団は、このとき設立された。昨年1年間だけでも、新たな研究への取り組みへの資金として75億デンマーククローネ(約1500億円)近くを投資したことも知られている。

製薬業が活発なデンマークにおいては、政府も学術部門に大規模な投資を行っており、特に生命科学分野に重点を置いているようだ。さらに海外企業による投資も活発で、生命科学部門の従業員の28%が外国資本企業で働いているという。このような支援の数々により、デンマークのライフサイエンス研究は日々加速し続けている。

いっぽうで、豊富な資金源があることによる課題があるのもまた事実。資金が基礎研究に集中し過ぎると“研究”を過熱させる恐れがある。つまり研究ばかりに没頭してしまい、実際の課題解決策を生み出すという視点が薄れてしまうということ。そのため彼らは実世界への反映を目指したプロジェクトへのシフトチェンジを計画。

2019年、デンマーク政府はイノベーションシステム改善のために「国際化」に注力し始めた。今や外国人研究者や学生にとって魅力的な研究場所となっているのも事実。それもそのはず。デンマークは教育が無料であるだけでなく、EU外の学生は政府奨学金の利用が可能なのだ。

2021年には新しい「生命科学戦略」なるものが発表され、研究開発の条件改善、健康データの利用、より持続可能な医療システムの構築などを目指しているとのこと。この戦略は、過去10年間におけるデンマークの臨床試験能力の構築に対する関心と、投資の高まりに続くものである。

このような政府と業界の広範な支援のおかげで、新たな戦略に対する政治的意志が明確というのも同国の特徴だ。そして良好な支援体制の整備が、デンマークをより魅力的な研究場所とさせているのと同時に、自国のライフサイエンス研究が今後も継続して成功していく自信にもなっているに違いない。

デンマークのような小さな国が世界的なライフサイエンス研究のリーダーとしての地位を維持するためには、国際的な連携とイノベーションの推進がカギとなることは言うまでもない。国境を越えた研究は、新たな発見や治療法の発展を促進する。

デンマークにおけるライフサイエンス研究、今後も注目していきたい──

参照元: Nature

※本記事はGeneraitve AIを一部活用して記事制作をしております。

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