「幼年期の脳の発達」はなぜ大切?いよいよ科学的に解明されようとしている【研究結果】
「幼年期における脳の発達は大切」ということは、おそらく誰もが分かっていることだろう。しかし、その科学的な根拠が見えてきたのは、最近のことのようだ——。
多くの神経科学者が声を揃えて言うのは、「子宮内と生後数年間に起こる脳の変化が最も重要だ」ということ。なんでも、ニューロンと呼ばれる脳を構成する神経細胞の数は、わずか9ヶ月で1000億個にまで増えるんだそう。
研究では、早産と正期産で生まれた子どもの脳を比較。すると、早産児は脳内のコミュニケーション伝達が弱い傾向にあったとのこと。子宮内での脳の発達がいかに大切かが分かる研究結果といえるだろう。
また、妊婦のストレスも子どもの脳の発達に影響を及ぼすらしい。妊娠中に強い不安を感じたりうつ病になったりすると、子どもが将来的に精神疾患を発症するリスクは2倍に膨れ上がるそうだ。
そのため、研究者たちは妊婦のストレスを軽減するべく、有給休暇や産休などの整備を呼びかけている。
なお、幼年期の子どもの脳内をスキャンする試みは以前から行われていたが、胎児や新生児はじっとしていられないため、正確な情報を得られなかったとのこと。
しかし、歪みの軽減処理ができる技術が開発されたことで、今回の発見につながったというわけだ。
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