極度のストレスを抱える退役軍人を、全力で支援する取り組みがスタート!
2023年11月、米・メリーランド州の州機関と中小企業は、福祉に焦点を当てた教育の機会を提供する「グリーンライト作戦」の一環として、退役軍人への支援強化をスタートした。
州内の病院や医療施設も参加し、州全体で挑んだ大規模なこの取り組み。
メリーランド大学医療センターの主任臨床責任者であるデビッド・マルコッツィ博士は、退役軍人は、国に奉仕した結果“一般市民とは異なるストレス”にさらされていると述べている。
かくいうマルコッツィ氏も米国陸軍予備役の退役大佐であるため、彼らの医療ニーズについては詳しい視点を持っているようだ。
州保健省の報告によると、メリーランド州には約390,000人の退役軍人がおり、そのほか53,000人が予備兵や州兵として現在も勤務。
「彼らは心的外傷後ストレス障害など高いレベルの精神的健康障害を抱えており、それが薬物乱用障害につながる」と同氏。
これまでも州議会の代表団は、退役軍人が服務中に薬物に関連する症状の医療サポートを受けられるよう、法案の策定に取り組んできた。
しかし、厳しい現場を乗り越えてきた彼らも、元は一般の市民。
軍務関連の医療ニーズに加えて、アメリカ人が罹りやすい喘息や糖尿病などの典型的な健康問題も抱えているのだ。
そこでメリーランド州保健省は、現役軍人や退役軍人、およびその家族のための行動保健プログラムの拡大を支援する非営利団体向けに、240万ドルの助成金を与えることを発表した。
助成金を受け取った非営利団体は、退役軍人が自宅からケアを受けられる遠隔医療サービスやメンタルヘルス、薬物使用のスクリーニングに充てるそうだ。
マルコッツィ氏は、同じ退役軍人としても彼らが親身なアフターサポートを受けられることを強く望んでおり、大切なのは彼ら自身の健康と幸せを最優先することだと語っている。