生理に関する「世界の取り組み」まとめ

・靴の中敷
・新聞紙
・靴下

これらは驚くべきことに「生理用ナプキン」の代わりとして生理用品を購入できない人が実際に使っているものたちだ。しかも発展途上国だけではなく、アメリカ、イギリス、韓国でさえも。

経済的な理由で生理用品が買えない「生理の貧困(Period Poverty)」という言葉は海外で深刻な社会問題として取り上げられ、ここ数年の間に多くの国で無償で提供する法改正軽減税率などの取り組みが始まっている。

【ソウル】10代の少女にナプキンを無償で支給

2019年11月29日、韓国のソウル市議会は市内に住む18歳までの全ての少女生理用ナプキンを無償で支給する条例を可決した。ソウルは2016年より貧困層の満11〜18歳の少女にナプキンの支給を補助してきたが、今回の改定により家庭の経済状況に関わらず、市内に住む全ての18歳以下、約32万5000人が対象となった。韓国では2016年にナプキンの価格が高騰し、ナプキンが買えず靴の中敷を代わりに使う「生理の貧困」と呼ばれる社会問題が浮き彫りになったことがきっかけで法整備が進み始めた。続きを読む>>>

世界各国の生理の貧困問題への取り組み
©iStock.com/LightFieldStudios

【ボストン】公立学校で生理用品を無償配布

アメリカ、マサチューセッツ州のボストン市2019年の秋から市内の77の公立学校生理用品を無償で配布している。アメリカで最も早く対応したニューヨーク州は2016年から生理用品は非課税になっており、2018年には公立学校での生理用品を無償で提供している。まだ州や市内、公立学校などの縛りはあるが、彼らの政策がアメリカの他の州を動かす大きな役割となっている。続きを読む>>>

【イギリス】女子学生に無償配布を決定

イギリスの「生理の貧困」は1人のティーンエイジャーによって大きな注目を集め、デモや嘆願書によりイギリス政府を動かし、2019年9月女子学生(11歳〜18歳)に対して生理用品を無償配布することが決まった。2020年3月にはもともと軽減税率の対象であった生理用品から課税を撤廃されたほか、ウェールズやスコットランドなど各地域でも無償配布などの法案が可決されている。続きを読む>>>

スコットランドの生理の貧困への取り組み

【スコットランド】必要とするすべての人に無償配布

イギリスを構成する国の1つであるスコットランド自治政府は、「生理の貧困」に対して早くから対策を打ち出しており、2017年7月には低所得の女性に対して生理用品を無償で配布する取り組みを開始した。2020年2月には世界で初めて生理用品を必要とするすべての人が無償で生理用品を購入できるように自治政府が義務付けられる法案が可決された。反対票を入れた議員は1人もいないという。続きを読む>>>

 

【企業の取り組み】生理用品を提供するスタートアップ

生理用品を無償で提供するサービスAunt Flow
©2019 Claire Coder / Aunt Flow

アメリカ・オハイオ州のスタートアップ企業「Aunt Flow」は、企業や大学などに100%オーガニックコットンの生理用品を提供するサービスを展開している。創業者のClaire Coderは「トイレットペーパーは会社から無償で提供されるのになぜ生理用品は提供されないのか?」という疑問を持ち、生理用品を手に入れるのに格差があってはいけないというミッションを掲げて会社を設立。今ではアメリカ全土で500以上の会社に導入されている。続きを読む>>>

日本では女子大生が署名活動中
「生理用品を軽減税率の対象に!」

「日本で生理用品を軽減税率の対象に」署名活動中
©iStock.com/LightFieldStudios

イギリスではもともと軽減税率の対象であったが非課税になり、インドでは2018年から、オーストラリアでは2019年から生理用品の課税が撤廃されるなどこの問題に対する動きは活発化を見せているなか、日本は目立った議論すらされておらずもどかしさを感じざるを得ない。しかし、この現状に声をあげた大学生もいる。谷口歩実さんはオンライン署名サイトにて「生理用品を軽減税率対象にしてください!」と署名活動を行ない、賛同者を多く集めている。まずは彼女の声明を読むことから始めてみてほしい。続きを読む>>>

Top image: © July Prokopiv/Shutterstock.com
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