スタンフォード大学、植物由来の生理用ナプキンを開発。「生理の貧困」の解決に期待
経済的な理由などで生理用品を入手できない「生理の貧困」が、世界中で問題となっている。ある研究によると、生理の貧困に直面している人は世界に5億人もいるそうだ。
そんな問題の解決に、「スタンフォード大学」が取り組んでいる。なんでも、植物由来の繊維から生理用品を製造する方法を生み出したそうだ。
同大学の研究者たちは、サイザル麻という繊維を生理用ナプキンの吸収体にするプロセスを開発したとのこと。サイザル麻はロープにもできるほど丈夫だが、試行錯誤を重ねた結果、まるで綿のようなふわふわした素材を作り出すことに成功したようだ。
©Andrew Brodhead/Stanford University
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サイザル麻の原産国は中央アメリカだが、アフリカの一部やほかの地域でも栽培されている。
この素材を生理用ナプキンにする方法が確立されれば、生理の貧困が深刻な国や地域で生理用品を製造し、そのまま必要な人へ供給することが可能になるかもしれないんだとか。
©Alex Odundu
なお、より多くの人が生理用品を手にできるよう、研究者たちはサイザル麻から生理用ナプキンを作る方法を公開。また、製造プロセスと品質管理方法の簡素化も実現させたんだそう。
©Andrew Brodhead/Stanford University
研究者たちは現在、生理用ナプキンの表面材や防漏材なども同様の方法で製造できるようテストを繰り返している。将来的には、小規模な工場で1日あたり5000〜10000枚のナプキンを製造できるようになるそうだ。
世界中のすべての女性が、必要なときに生理用品を入手する権利を持っているはず。生理の貧困が解決される日が、1日でも早く訪れてほしいものだ。
Top image: © Andrew Brodhead/Stanford University