今、スリランカのゾウが危ない。深刻化する人間とゾウの衝突
人間とゾウの共存は、やはり難しいのだろうか?農業の拡大が、両者の関係を次第に切り裂いていく……。
この記事の要約
- スリランカで人獣衝突が深刻化。2023年には過去最多となる人間・ゾウの死者が発生
- 農地拡大によるゾウの生息地減少が主な原因。食料不足で農地へ侵入し、住民と衝突。
- ゾウの保護と共存を目指す取り組みが急務に。専門家は、農作物の転換や生息地の拡大を提言している。
スリランカのゾウは国を象徴する存在として知られているが、近年、人間との対立が原因で多くのゾウが命を落としている。
クルネーガラ地区の地元当局によると、2023年、スリランカでは470頭のゾウと176人の人間が死亡。ゾウの死亡数としては過去最多で、うち半数近くが人間の手に拠るものだったという。
衝突のきっかけ、即ちゾウが人間を襲うようになった主な原因として考えられるのは、農業の拡大によりゾウの生息地が侵食されたり、食料や水源が破壊されたこと。
住民は作物と自分自身を守るために電気柵の設置を計っているが、スリランカでは法律でゾウの殺生は禁止されているため、本来は気絶させることが目的。
しかし、切羽詰まった住人たちは、より強力な(ゾウを殺すのに十分な)電気柵を違法に設置しているほか、毒の入った餌や“顎爆弾”とよばれる爆発性の罠餌も使用するようになっているそうだ。
これに対して専門家は、象を引き寄せづらい柑橘類などの作物の栽培していくなど、シンプルかつ両者に優しい解決策を提唱している。
現在、スリランカのゾウは19世紀の転換期以来約65%の個体数が減少しており、近年の死亡数急増は種の存続を危ぶませている。
死亡数がこのまま増加し続ければ、スリランカのゾウの約70%が失われる可能性がある。専門家の警告の声は年々高まっており、人間との対立を軽減させるためにも、政府は緊急の対応に迫られている。
※本記事はGeneraitve AIを一部活用して制作をしております。
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