「Googleストリートビュー」がアフリカのサバンナに対応。一体何のために・・・?
アフリカ・ケニアの自然保護区に、「Googleストリートビュー」が新たに加わりました。ただ、赤土の道をガイドしている訳ではありません。今回のプロジェクト、その背景には「密猟からゾウたちを保護する」という大命題があるのです。
歩く人目的ではない
ストリートビューって?
ケニアの北に位置するサンブル国立保護区。サバンナに生息する野生のゾウたちが、どんな生活をしているのか?Googleストリートビューを用いて、まるで自宅の近所を検索するように、野生の生態系が手に取るように分かるのです。
Googleは公式ブログを通じて、プロジェクトの最大の目的は、野生のゾウたちが密猟の危機に瀕している事実を、「世界中の人々に知ってもらうこと」だと発表しています。
GPS付きの首輪で
ゾウの居場所が
リアルタイムで届く
Googleは、今回のプロジェクト実現のため、ケニアで活動する3つの団体に協力を依頼。そのうちのひとつ「Save The Elephants」は、野生のゾウの行動や集団規模を観察し、健康状態の把握に努め、行動データや習性の観測を行っています。また、レワ自然保護区では、ゾウにGPSの首輪をつけ、このデータをGoogle Earthに表示。リアルタイムでゾウの位置把握が実現しました。この様子は、Googleマップの特設サイト「サンブル国立保護区」でも、ゾウたちが今どこにいるのかを確認できます。
密猟者からゾウを守る
Googleが提供する、GPSと地上からの画像はまた、研究者、野生生物保護官へと届けられます。動物たちの生態系の様子を観察する貴重なデータとなるほか、リアルタイムで密猟を監視するレンジャー部隊の活動にも活かされているようです。「Save The Elephants」の活動により、過去15年間でサンブル国立保護区の野生ゾウの数は、確認された個数で1,450頭と増えてきました。
しかし、それもほんの氷山の一角、研究によれば、2010年から2012年にかけてのわずか3年あまりの間に、象牙を狙う密猟ハンターによって、およそ10万頭のゾウが殺されたといいます。「Save The Elephants」の発起人Iain Douglas-Hamilton氏のコメントを紹介する「Take Part」。
「この地域に生息するゾウの生態系を、より深く理解して欲しい。彼らの行動を見て知ってもらうだけでも、ゾウの命を救うことになるのですから」
多くの人々が、GoogleマップやGoogle Earthを通してサバンナのゾウの様子を知ることが、どれだけ密猟の大きな抑止力になるか。Douglas-Hamilton氏の真意が見て取れます。
現地へと赴かずとも、画面を通してゾウの生態系を知ることができる。さらに、それが野生動物たちの命を救うことにもなるって、寄付をするよりもお手軽ですね。いちど、特設サイト覗いてみては?