あんたの言い分は分かった。けど、趣味で殺していいってマジで考えてるのか?

日本ではあまり馴染みがないが、欧米では、趣味で野生動物を狩猟する「トロフィー・ハンティング」が広く好まれているという実態がある。射殺された動物は、剥製や毛皮などにされトロフィー(記念物)として持ち帰られてしまうのだ。

トロフィー・ハンティングに対する社会的批判は高まっているが、毎年、ハンターは増え続けているとのこと。しかも、合法化されているというから始末が悪い。獲物を仕留めるや否や、涙を流して、抱擁し合い、キスをして歓喜する…。そんなハンターたちの異常な熱狂をカメラははっきりととらえていた。

ドキュメンタリー映画『サファリ』を紹介しよう。

合法的に殺される
野生動物

現在、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国で、トロフィー・ハンティングを許可している国は24ヵ国にも及ぶ。そして、毎年18,500人ものハンターたちが、アフリカを訪れ、年間217億円も消費しているという。

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皮肉なことにトロフィー・ハンティングは、現在、アフリカ諸国の一大観光資源となっている。この問題が根深いのは、ビジネスとして成立してしまっているという点。今日も、ライオン、キリン、シマウマなどの罪なき動物たちが、金のために殺されているのだ。

倫理のボーダーラインを
越えた残虐性

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本作品の舞台は、ナミビア。そこで、ドイツとオーストリアからやってきたハンターと彼らをガイドするナミビア原住民の姿を追っていく。

絶句してしまったのは、白人のハンターたちが、何の悪びれた様子もなくハンティングの情熱を語る場面。そこにあぶり出されるのは、崩れゆく人間の倫理観と欲望のままに生きるエゴイズムに他ならない。

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一方、原住民の黒人ガイドはサファリでガイド役に徹し、ハンティング後は、野生動物の死体処理を血だらけになりながら黙々とこなしていく。その対比は、いわば現代版の植民地支配にも見えてくる。

腹落ちしないハンターの主張

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乾いたアフリカの大地に銃声が鳴り響く。その直後、体の大きい野生動物が音を立てて崩れ去る。カッと見開いた動物たちの眼を見ていると「何故、殺されなければならないんだ?」という彼らの悲痛な叫びが聞こえてくる気がした。

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しかし、何と言っても腹落ちしないのは、ハンターたちの弁。あくまでも自分自身を正当化しながら様々な持論を展開する様子。そのレベルは狂気を通り越して、何かのジョークとも思えるほど。とはいえ、自らの欲望のために、自身を正当化するのは、誰にでも身に覚えのある振る舞いなのかも知れない。

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ハンターが支払う高額な狩猟料は、アフリカの野生動物保護活動に使われ、地域経済を活性化させる。そんな理由で、昨年、トランプ大統領が人気ターゲット「象のトロフィー」を3年ぶりに解禁。その後、SNSの炎上で決定を保留にして大きな話題にもなった。

近年、論争が絶えないトロフィー・ハンティング。オーストリアの奇才ウルリヒ・ザイドルによるこのドキュメンタリーを通じて、改めて命の価値について一考してみて欲しい。

『サファリ』
2018年1月27日(土)よりシアター・イメージフォーラム、2月3日(土)よりシネ・リーブル梅田ほかにて全国劇場ロードショー。公式サイトは、コチラ

WDR Copyright © Vienna 2016

Licensed material used with permission byサファリ
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