ミニマルな壁掛けは「野生動物保護」のメッセージだった
お金持ちの家で壁に飾られている動物の「剥製」。実際には見たことなくても、映画やドラマの中で象徴的に映し出されているシーンはイメージできるのではないでしょうか。これは「ハンティング・トロフィー」呼ばれるもの。とくに欧米では昔からスポーツとして狩りをする習慣があるので、獲物の剥製を家に飾っていたわけです。日本に例えると、釣った魚の大きさを自慢するために魚拓を飾っているような感覚でしょうか?
しかし、楽しみのために動物を殺すのは残酷だ、という考え方や、商売目的の密猟によって野生動物が絶滅の危機に瀕したりする問題から、近年では本物の剥製の代わりに木製の作り物などを飾るようになってきています。
そんななか、あるアーティストの活動が注目されているのです。
ひと筆書きの動物たち
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アーティストのアントニー・テステッドさんが作っているのは、一本の線を使った芸術的なハンティング・トロフィー。その代名詞とも言える鹿はもちろん、バッファロー、ライオン、ゾウ、さらにはクジラも作品にしています。
彼の作る動物たちは、平面ながらもとても立体的に見え、今にも動き出しそうなのが特徴のひとつ。
アントニーさんがスケッチしたデザインをもとに、ロンドンの「HU2デザイン」が木板を加工。装飾品に特化したブランドですが、環境に優しく再生可能な材料を使っているのだそう。
利益の10%を
野生動物の保護活動に寄付
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また、アントニーさんとHU2は、イギリスの動物保護団体である「ボーンフリー財団」に、トロフィーの利益の10%を寄付しているそうです。
「2007年に環境保全団体WWFの会員になりました。しかし私は、もっと現場で活動している小さな団体を支援したいと考えるようになったのです。そしてHU2の助けを借りて、利益の10%を寄付することで、ボーンフリー財団を支援することにしました。これは野生動物と環境を保全するために役に立っていると思います。
野生動物たちは、私に一番インスピレーションを与えてくれる存在です。私の作品を通して、世界中に野生動物保護の精神が広まっていくことを望んでいます。
そして、いつの日か、自分自身で野生動物の保護活動もしたいと考えています」
「コレクション」の
意味を考えてみよう
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アントニーさんのトロフィー・コレクションは、オンラインショップから購入することができます。値段は日本円にして約2〜4万円程度。
さらにここでは、ハンティング・トロフィーだけでなく彼のデザインがプリントされた食器などもあります。
「剥製」ではないコレクションのカタチ。そんなことをふと考えるきっかけになるではないでしょうか?
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