「観光地でゾウには乗らないで」。彼らの傷に、あなたは気づいていましたか?(動画あり)
時折、卓越した動物たちのパフォーマンスに一喜一憂することがある。しかし、ここで紹介する動画を見ると、それが厳しいトレーニングによってもたらされた結果だという現実を思い知らされる。
観光地でゾウに乗るとき、彼らの体や行動に刻まれた「傷痕」に気がつく人はどれだけいるのだろうか。
※閲覧注意:動画には暴力的なシーンや血が流れる場面が含まれています。
ゾウの体に残った
訓練の傷痕
動画の字幕説明によれば、1900年頃のタイには30万頭の野生のゾウがいたそうだ。また、10万頭のゾウが飼育されていた。
2012年時点で、タイにいるゾウは2,000頭ほどに減少。飼育されているゾウは4,000頭いるが、そのほとんどは観光客のために飼われているそう。たとえば、以下の画像のように人を乗せたり、絵を描かせるようなサービスのためだ。
しかし、彼らはもともと自然にいた。罠にかけられて捕獲されたのち、痛々しいトレーニングを受けたからこそ、人間の指示通りにさまざまなパフォーマンスができるようになった。
彼らの体に刻まれた傷跡に見覚えはあるだろうか。
01.
脇腹に残った
ナイフに刺し傷
02.
鼻筋に見える
白くなった突傷
03.
かぎ付きの棒で
叩かれた跡
05.
ストレス性の精神疾患
による挙動不審
また、国際的には禁止されている象牙の売買も、タイ国内では合法なのだとか。
その他にも同国やビルマなどでは、伐採作業のために違法労働をさせられているゾウも多数いるという。
動画は2012年に公開されたものだ。The New York Timesによれば、2013年2月27日に開催されたワシントン条約(CITES)の会議のスピーチで、タイのインラック・シナワット首相が象牙の国内取引の停止を宣言。
その後、2015年1月22日には象牙法が制定。Newsclip.beは、登録のない象牙販売者には禁固刑や罰金刑が科せられると報じた。しかし、観光客のために、また、象牙の販売のために捕獲されるゾウはまだまだたくさんいる。
この動画が未だにインターネット上でシェアされ続けている理由は、その事実を世界中の人に知ってほしいという意思の表れなのかもしれない。
Reference:The New York Times,Newsclip.be
Licensed material used with permission by Wildlife Friends Foundation Thailand