ゾウの生息地、3分の2が失われていた【研究結果】
4月27日、自然科学に特化した学術雑誌『Scientific Reports』にて、アジアゾウの生息地に関する論文が公開された。これによると、生息地のおよそ3分の2が失われているそうだ。
研究者たちは、1000年以上前の850年から2015年にかけての土地利用に関するデータを活用し、アジアゾウの生息範囲を分析。そして、1700年と現在を比較して、64%(336万㎢)が失われていることを発見したそう。
おもな原因となっているのは、森林伐採や農地開拓、そしてインフラ整備などの行き過ぎた土地利用にあるようだ。
アジアゾウはアジアの13ヵ国で生息が確認されている。もっとも生息地が減少していたのは中国で、94%なくなっているとのこと。それに次ぐのはインドで、86%。
研究者たちは、こうした生息地の減少によって、人間とゾウは非対立関係にあったものの、対立関係になってしまう恐れがあると警告している。
SDGsの目標15では「陸の豊かさも守ろう」ということが掲げられている。こうした研究データからも、目標15を達成するべき理由を感じ取れるだろう。
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