菌類は世界で排出される二酸化炭素の3分の1を貯留している【研究結果】

6月5日、学術雑誌『Current Biology』に、「菌類が世界で排出される二酸化炭素のおよそ3分の1を貯留している」という旨を記載した論文が掲載された。

これまで菌類は他の生物たちと共生関係を結び、その結果として炭素貯留の一翼を担っていることは分かっていたが、それがどれくらいの影響があるのかは明らかになっていなかった。

そして、研究者たちが算出したところ、菌類によって世界中で13ギガトン以上の炭素が貯留されていることが判明。これは世界の年間二酸化炭素排出量の36%に相当し、中国が排出する二酸化炭素量よりも多い。

菌類は、私たちの目には見えない地下で広大なネットワークを築くことで他の生物たちと共生関係を結んでいる。しかし、現在は農業や工業などの人間の経済活動によって、そのネットワークは断ち切られたり傷つけられたりしてしまっている。

研究者たちは「土壌に古くから存在する生命維持システムを破壊することは、地球温暖化を抑制する努力を台無しにし、私たちが依存している生態系を弱体化させることになる」とコメントしている。

現在、研究者たちは貯留できる炭素の量を増やす研究を進めている。

彼らの発見によって、地球温暖化を解決する糸口を見つけられるかもしれないので、研究の動向は今後も要チェックだ。

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