しまなみ海道で初開催、「島々の未来を守る」映画祭

サイクリングコースとしての人気も集め、広く知られるようになった瀬戸内・しまなみ海道

広島県尾道市と愛媛県今治市の間にある美しい島々と、それらを繋ぐ橋によるこのエリアで、今月9月27日(金)〜29日(日)の3日間、初開催となる映画祭『しまなみ映画祭 2024』が開催される。

4つの島々で多彩な催し

©株式会社しおまち企画

同映画祭が掲げるテーマは、「Cruise to the Unknown(未知への航海)」。

より多くの人に自分の知らない世界に入り込む楽しさを体感してもらおうと、広島県尾道市の「生口島(いくちじま)」をメイン会場に、同市の「因島(いんのしま)」、竹原市の「大久野島(おおくのじま)」、そして愛媛県今治市の「大三島(おおみしま)」という4つの島々の会場ごとに異なる世界観を演出し、それにあった映画を上映する予定とのこと。

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各島ごとに個性を感じるイベントテーマがあり、それぞれの場所で映画だけでなく多彩な催しを用意。

たとえば恐竜をテーマにした上映に合わせ、岡山理科大学が運営する恐竜学博物館の協力のもと化石や標本を展示したり、ポリネシアの伝統航海カヌー「ホクレア」のドキュメンタリー映画を上映し、そのカヌーに乗って世界を旅したクルーを招きトークセッションをしたり。参加者ひとり一人が、さまざまな方法で映画祭の世界に浸れる設計が盛り込まれている点において、ほかの映画祭とは異なる趣を存分に堪能することができるだろう。

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このほか、会場を盛りあげる音楽やアート、食のコンテンツも公式WEBサイトで公開され、随時更新されている。

「島々の未来を守る」という狙い

さて、『しまなみ映画祭 2024』が企画された背景には、「島々の未来を守る」という想いも存在している。

たくさんの島々から形成される文化圏を育んできたエリアながら、しまなみ海道をはじめとした交通インフラが整えられると同時に、人々は利便性を求めるようになり、島と島の関係性は少しずつ希薄化している実態があるそうだ。

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一方で、離島という地理的特性上それぞれの島に醸成される独自の風土は整えられた交通インフラのおかげで、簡単に島を越えて、それぞれ異なる文化を体感できるのも事実。この島巡りの楽しさや、たくさんの人々が島の魅力を再発見する。そうなることを願って、今回の映画祭は企画されたそう。

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また、そのポジティブな循環を生みだすうえで、地元の環境へのケアを展開する。会場では、竹害対策の一環で竹藪から竹を切り出し、それを建材としてテントに採用。地元の材木店が産業廃棄物として処理する廃材を引き取り、それも会場の建材に使用する予定だという。

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そして、限りなくゴミを出さないようプラスチックカップの代わりにアルミのカップを採用したり、回収ボックスを設置し資源が循環する仕組みを導入したりするなども行われる予定。また、映画祭で販売するオリジナルTシャツは、生分解できる素材を選ぶなどの配慮もなされている。

イベントを企画するすべての過程で、こういった価値観を大切にしていき、「島々の未来を守る」という想いが叶うように期待を込めて、初めての映画祭は開催される。

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『しまなみ映画祭 2024』
【開催日程】2024年9月27日(金)〜29日(日)
【会場】
●生口島:生口市民スポーツ広場 / 広島県尾道市瀬戸田町御寺1209-24
●因島:HAKKOパーク / 広島県尾道市因島重井町5800-95
●大三島:今治市大三島公民館(上映会場) / 愛媛県今治市大三島町宮浦5708
 宮浦港(マルシェ会場) / 愛媛県今治市大三島町宮浦
●大久野島:大久野島 毒ガス資料館 / 広島県竹原市忠海町5491
【公式WEBサイト】https://shimanami-film.jp/
【チケットサイト】https://t.livepocket.jp/e/bidtk
【Instagram】https://www.instagram.com/shimanami_film_fest/

Top image: © 株式会社しおまち企画
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