「政治と社会情勢」が生んだ「カンヌ映画祭」
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
第1回「カンヌ国際映画祭」が開催された日
「ベルリン国際映画祭」「ベネチア(ヴェネツィア)国際映画祭」と並び、世界三大映画祭のひとつに数えられる「カンヌ国際映画祭」。
今日9月20日は、そんなフランスにおける映画の祭典がはじめて開催された日です。
世界中の映画人とエンターテイメント業界、そしてセレブリティが注目するこの映画祭ですが、実施には、現在のそのきらびやかさとはほど遠い、さまざまな時代的、政治的な歴史と背景があったといいます。
そもそも「カンヌ国際映画祭」は、1932年からすでに開催されていた「ヴェネツィア国際映画祭」が、当時のイタリア政府の独裁主義的な思想に取り込まれたものになりつつあった事態を重く受け止めたフランス政府のバックアップによって立ち上げられたもの。
一度は1939年9月1日に開催を決定するも、ドイツのポーランド侵攻などをきっかけに時代は第二次世界大戦(開戦日:9月3日)に突入。当然のことながら開催は見送りとなります。
終戦後の1946年、長編、短編合わせて100余本の映画が出品され、約2週間にわたってはじめて開催されたこの映画祭は、仏の財政状況や社会不安などにより1948年、1950年の2度の中止と1968年の中断を経て、2022年、75回目の開催を迎えました。
古くは市川崑や大島渚、近年では『万引き家族』でメガホンをとった是枝裕和といった日本人監督が世界へ羽ばたくきっかけを作った「カンヌ国際映画祭」ですが、劇場公開への強いこだわりなどから、三大映画祭のなかで唯一「Netflix」の作品のコンペティション参加を認めていません。
「映画は“文化”なのか?それとも“ビジネス”なのか?」
多くの人にとって配信による映画視聴が身近になったであろうこのごろ。
今日という記念日に“映画の在り方”をまわりの映画好きと語り合ってみてはいかがですか?