YouTubeが仕掛ける、AI時代のサバイバル術:情報選別力を磨く「新リテラシー教育」
スマホを開けば、溢れかえる情報。玉石混交の渦の中で、あなたはどんな選択をしているだろう?
動画プラットフォーム大手YouTubeが、10代の若者を対象としたメディアリテラシー教育プログラムを開始したらしい。背景には、来月5日に実施予定の「米大統領選挙」に向けたフェイクニュース対策や、AI生成コンテンツの急増がある。
真偽を見抜く目
AI時代に求められるリテラシー
米メディア「Tubefilter」によると、本プログラムは、ファクトチェックの専門機関「ポインター研究所」との共同開発。全11レッスンのカリキュラムは、YouTube動画や資料などを活用し、オンライン上の誤情報を見抜くスキルを育成する内容だそう。
特に注目すべきは、AIが生成したコンテンツの見分け方だ。
「Amazon」の調査によると、Web上のテキストコンテンツの約60%がAI生成または翻訳によるものだという。もはや人間が書いたものと見分けがつかないレベルまで進化したAI。そのなかで情報源の信頼性を判断する力は、これまで以上に重要になっていると言えるだろう。
情報発信の責任
「いいね」や「シェア」のその前に
さらに、本プログラムは情報発信における倫理観も重視している。誰でも情報発信者になれる時代だからこそ、受け取った情報を鵜呑みにせず、その信憑性を批判的に吟味する「情報選別術」が求められる。
例えば、SNSで魅力的な情報を見つけた時。「いいね」や「シェア」をする前に、少しだけ立ち止まって考えてみる。情報源は信頼できるものか?情報の真偽は?自身の発信が、誤った情報の拡散に加担してしまう可能性はないだろうか?といった精査が個々人に求められるようになる。
「知る」から「使いこなす」へ
情報との向き合いかた
情報過多な現代社会において、必要な情報を適切に選択し活用していくためには、メディアリテラシーはもはや必須スキルと言えるだろう。それは決して難しいことではない。日頃から情報源を確認する、複数の情報を比較する、疑問を持ったら調べる、といった些細な心がけが、情報に翻弄されないための第一歩。
今回のYouTubeの取り組みは、巨大プラットフォームが社会的な責任を果たすことの重要性を示すものだ。情報発信の場を提供するだけでなく、ユーザーが安全に情報にアクセスし、責任ある行動を取れるよう支援していくことが求められている。
情報と上手に付き合っていくためにも、あらためて「情報選別術」を身につけてみてはどうだろう。
👀GenZ's Eye👀
情報選別術はこれからの時代、かなり重要となる力。中高生の頃、「情報」という授業がありましたが、中身はワードやエクセルの簡単な使い方を教わるだけ。現代における「情報」の授業とは、情報の真偽を自分で判断できるようになる、リテラシー重視の授業ではないのでしょうか?
どれだけ、パソコン操作に強くなっても、AIによる誤情報に騙され、詐欺などの犯罪行為に巻き込まれてしまっては、本末転倒。その意味では、YouTubeが無料で配信する今回の授業は、本当に必要な「情報」の授業と言えるのかもしれませんね。