トイレでスマホ。その習慣「未来の自分」にツケが回るかも?

現代人にとって、スマホはもはや体の一部。 そしてその「スマホ時間」がもっとも長くなる場所の一つが、じつは「トイレ」なのかもしれない。けれど、その何気ない習慣があなたの健康を脅かしている可能性があることをご存じだろうか。

トイレ×スマホ
“長時間化”に潜むリスク

「CNN」が報じたところによると、アメリカのテキサス州立大学病院の大腸外科医Dr. Lai Xueは、「患者が症状を訴えて私の所に来る時は、トイレで過ごす時間の長さを徹底的に調べなければならない」と警鐘を鳴らしている。いったい、トイレとスマホの組み合わせが、なぜ健康リスクを高めることになるのだろうか?

同氏によると、便座に長時間座る姿勢を続けることで、肛門や直腸周辺の血管に負担がかかり、痔のリスクが高まるという。 さらに、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック医学校のDr. Farah Monzur准教授は、長時間座り続けることで骨盤底筋が衰え、排便をスムーズに行う機能が低下する可能性も指摘。「昨今はトイレで長時間過ごす人が増えた。これは肛門器官や骨盤底にとって非常に不健康だ」と、Dr.Xueは現代人のトイレ習慣に懸念を示している。

知らず知らずのうちに……
トイレ時間は危険信号?

では、具体的にどれくらいの時間が「長居」とみなされるのだろう?同准教授によると、トイレでの理想的な滞在時間は「平均5~10分」。 それ以上になると、健康上の問題を引き起こす可能性が高まるという。

「え、たったの10分?」と、思った人もいるのだろう。 しかし、冷静に考えてみてほしい。 SNSのフィードを眺めているうちに、最新ゲームに熱中しているうちに……気づけば10分以上経っていた、なんて経験はないだろうか?

現代のトイレは、単なる排泄の場にとどまらず、リラックスできる貴重な「自分時間」の場となっているのかもしれない。 スマホ片手に、心ゆくまで「トイレ時間」を楽しむといった具合に。それでも、その裏には健康リスクという危険な落とし穴が潜んでいるということも念頭におく必要がありそうだ。

快適で安全な「トイレ時間」

「トイレ時間」を見直し、健康リスクと上手に付き合っていくためには、どんな対策が考えられるだろうか。Dr. Farah准教授は、「長時間過ごすつもりでトイレに行かないこと。そのつもりがあれば、退屈しのぎに何か持ち込みたくなるから。便座に座っていることをできるだけ退屈にする必要がある」と。

ついついスマホに手が伸びてしまう人は、トイレに持ち込まないことを習慣づけるだけでも効果が期待できるだろう。 また、「トイレ=スマホ」の習慣から抜け出すために、トイレ環境そのものを見直してみるのも有効な手段だ。

例えば、リラックス効果を高めるアロマを焚いたり、視覚的に癒してくれる観葉植物を置いたり……五感を刺激することで、心身ともにリラックスできる空間を作ることができるのではないだろうか。さらに、日頃から腹筋を鍛えたり、食物繊維を積極的に摂ったりするなど、食生活を含めた生活習慣全体を見直すことも大切だ。

快適なトイレ時間は、健やかな毎日を送るための大切な要素。 自身のライフスタイルに合った方法で、「トイレ時間」と上手に付き合っていきたい。

👀 GenZ's Eye 👀

これからの季節、ヒーター機能をオンにした便器に座るとスマホがなくとも長く座ってしまうような気がします……お尻には申し訳ないですが、冷たい便座で我慢することが私たちの健康にはいいのでしょう(泣)

Top image: © istock.com / Pattarisara Suvichanarakul
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