一流の「減塩習慣」を身につけるために。健康力の養い方。

「予防医学」の観点から長い生涯を快適に過ごすために、医学的根拠に裏付けられた健康力を養う秘訣を紹介する書籍『「健康力」に差がつく 一流、二流、三流の選択』(幻冬舎)。

消化器内視鏡専門医の著者・平島徹朗さんは、生きていくうえで大切にしなければならない「生活習慣」をおそろ坂にしている人が多いことを指摘します。健康への意識が低い人を三流、正しい知識を持って自分の生活習慣を整えている人を一流とし、病気や体調不良にならないカラダづくりについて紹介しています。

ここでは、そのひとつ。「塩分のとり方」を見ていきましょう。

ラーメンは汁まで完食
塩分のとり過ぎがもたらすもの

40代男性のAさんは今年の健康診断で初期の高血圧であるとわかり、医師から塩分を控えるように指導を受けました。

Aさんの場合、塩分の摂りすぎといわれて思い当たる節はありました。ランチで週3回以上ラーメンを食べており、汁まで全部飲むのが習慣だったそうです。塩分の多い麺類の汁は残すように指導されましたが、「もったいないし、食べた気がしない」となかなか習慣を変えられずにいます。

高血圧の原因だけではなく
胃がんのリスクも向上させる

Aさんのように糖質や塩分の多いラーメンを常食しているという人は三流です。

ただ私がここで言いたいのは、ラーメンを食べてはいけないということではありません。ふだん健康に留意して節制している人も、たまにはお楽しみでラーメンを食べる日があってもいいと思います。大事なのは「なぜ塩分を控える必要があるのか」を理解して、食べる回数などを調整できるようになることなのです。

塩分というと、一般には「血圧を上昇させ、高血圧の原因になる」ことが知られています。高血圧になると血管が硬くなったり、もろくなったりする動脈硬化が急速に進みます。やがて脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気につながる可能性もあるため、医師からは塩分を控えるように指導されます。

少々血圧が高いくらいでは自覚症状もないために油断して、結果的に食生活を改善できない人も少なくありません。

しかし、塩分が原因で引き起こされる病気は、高血圧や動脈硬化だけに留まりません。塩分の過剰摂取は胃がんのリスクも上昇させることをご存知でしょうか?

塩分の摂取量と胃がんの発症率には相対関係があります。日本国内でも、東北地方や北陸などの日本海側の地域は胃がんの発症率が高い傾向にあります。これらの地域は、歴史的に漬物や塩蔵品などで塩分を多く摂る習慣があるのです。

現在、日本人は塩分を1日平均10~12グラムほど摂取しているといわれますが、胃がん予防には、塩分摂取を、男性は1日8グラム、女性は7グラム未満にすることが推奨されています。ラーメンは1杯で4~6グラムもの塩分を含みますので、それらを控えるだけでもかなりの減塩が可能です。自分はAさんタイプだという人は、胃がん防止のためにも、ぜひ食べ方や回数を見直してみましょう。

効果的な減塩方法

どんな食品に塩分が多く含まれているか一度把握してしまえば、1日数グラムの塩分カットは難しくありません。塩分が多い食品は食べる回数を減らすほか、市販の加工食品については食品表示の塩分量をよく確認して選ぶようにすれば一流の減塩習慣が身につきます。

食品の成分表示が「ナトリウム」となっているときは、ナトリウム値に2.54をかければ、塩分量になります。

私(著者)がおすすめするのは、家庭で使う調味料を「減塩味噌」や「減塩醤油」に変えることです。そうすれば調味料の使い方を変えなくても、効果的に減塩ができます。

【ポイント】

一流の選択をするなら……

加工食品の塩分に注意

調味料は「減塩」製品に変える

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。